写真:ロイター/アフロ

 コンビニ最大手セブン-イレブンが新型店舗の導入を開始して約1年が経ちました。同社が店舗レイアウトを全面的に刷新するのは創業以来初めてのことになります。新型店舗の導入は狙い通りに進んでいるのでしょうか。

 セブンは現在、全国で2万店を超える店舗を運営していますが、2017年から新レイアウトの店舗の導入を進めています。現時点で新レイアウトになっているのは2000店舗以下ですが、ちらほらと新しいレイアウトの店舗を見かけるようになってきました。2021年度までに1万店舗が新しいレイアウトに変わる予定です。

 同社が店舗レイアウトの刷新を進めているのは、コンビニ市場が飽和していることと、コンビニの客層が変化していることが背景にあります。

 コンビニは主要3社で5万店を超える店舗があり、出店可能な地域はほぼすべてカバーしたとも言われています。また今後は人口の本格的な減少が始まるため、市場の縮小が予想されています。このような市場環境で業績を拡大するためには、他の業態から顧客を奪って客数を増やすとともに、顧客1人あたりの売上高(客単価)をアップさせる必要があります。これを実現するための施策が新しい店舗レイアウトということになります。

 従来型の店舗では、たいていの場合、雑誌が外に見える位置に配置されており、レジカウンターは入って左側にありました(物件の間取りにもよる)。新レイアウトの店舗では、カウンターは奥に移動するとともに、総菜類がたくさん置けるようロングサイズとなっています。入り口を入るとまず冷凍食品が目立つ場所に置かれているのも特徴です。全体的にシンプルで白の色調が目立つデザインになっているので、人によっては少し冷たい印象を持つかもしれません。

 これらの配置は、スーパーに通っていた女性客をターゲットにしたものといわれています。セブンでは、夫婦共働きの世帯や単身女性の世帯が増加してきたことから、コンビニで冷凍食品や総菜を買う機会が増えると予想。こうした客層に最適化できるようレイアウトの変更に踏み切りました。仕事を持った女性客の場合、雑誌に惹かれて何となく入店するということがありませんから、雑誌も以前ほど目立たせる必要がなくなったわけです。

女性客が夜の食卓を意識して、冷凍食品や総菜を購入すれば、客単価は確実に上昇しますから、店舗全体としては売上高と利益の増加が見込めることになります。新型レイアウトが業績にどのような影響を与えるのかについては、今年度の決算あたりから徐々に明らかになってくるでしょう。
 

(The Capital Tribune Japan)