ドイツで活躍中のドリブラー伊藤達哉が森保ジャパンの秘密兵器の一人(写真・ロイター/アフロ)

187cmの高さを誇る長身FW杉本健勇(セレッソ大阪)の近くにいると、否が応でもその存在感が際立ってくる。3日から札幌市内でスタートした、森保一新監督(50)に率いられる新生日本代表合宿。ランニングを終えて、初日で唯一、ボールを使ったメニューに移った直後だった。

 参加した16人のフィールドプレーヤーが、3つのグループに分かれてボールを回し始める。A代表に初招集された東京オリンピック世代の一人で、身長163cmと今回の招集メンバーのなかでは最小兵となる21歳、MF伊藤達哉(ハンブルガーSV)が杉本と同じグループに入ったからだ。

 先週末に行われたJ1や海外組の長距離移動が考慮され、コンディション調整を目的とした約40分間の初練習を終えた伊藤は「新鮮でした」と、緊張や興奮とは異なる思いを抱いていたと明かした。

「ずっと外国人選手に囲まれてサッカーをすることの方に慣れていたので、久しぶりに日本語でみんなと笑ったりしながら練習できたのは楽しかったです」

 2年後の東京オリンピックで、日本の「秘密兵器」となりうるドリブラーだ。柏レイソルの下部組織で小学生時代から心技体を磨いてきた伊藤に、思いもしないターニングポイントが訪れたのは2014年4月。柏レイソルU-18が準優勝の快挙を達成した、中東UAEで開催された国際大会だった。

 この大会のグループリーグで、レイソルU-18はハンブルガーSVに2‐0で快勝。マン・オブ・ザ・マッチに輝いた当時高校2年生の伊藤はその後も大活躍を演じ、大会MVPも獲得する。そして、小さな体に秘められた才能と可能性に惚れ込んだのが、実際に対戦したハンブルガーSVだった。

 ほどなくしてレイソル側へ正式オファーが届き、国際移籍が可能となる18歳になった2015年6月26日を待って3年契約を結ぶ。高校卒業を待たずして渡独した伊藤はハンブルガーSVのU-19、U-21と順調にステップアップを果たし、昨シーズンには二軍にあたるU-23へと昇格した。

 迎えた昨年9月25日。けが人が続出していた緊急事態を受けて、トップチームの練習に参加していた伊藤はバイヤー・レバークーゼン戦の後半37分から途中出場。奥寺康彦から数えて通算30人目の日本人ブンデスリーガーとなり、続くヴェルダー・ブレーメン戦では初先発も果たした。

 昨年末には契約を2021年6月末まで3年間延長。最終的には20試合に出場して、終盤戦ではレギュラーの座も射止めた。今年3月にはパラグアイへ遠征したU-21代表に初めて招集され、森保監督が掲げる[3‐4‐2‐1]システムのなかでシャドーとしてプレーしている。