8日に発足するアマチュアボクシング界の新体制はプロ解禁を提案する。井上尚弥(左)の東京五輪出場も可能性になる(写真・山口裕朗)

日本ボクシング連盟の臨時総会が8日に都内で開催され、辞任した山根明元会長、同じく辞意を表明している30人の理事に替わる新会長、新理事が選出される。新会長は、新理事の互選で民主的に決定するが、勇気ある告発を行い、自称“世界のカリスマ”山根元会長を退陣に追い込んだ「日本ボクシングを再興する会」の発起人だった内田貞信氏(45、宮崎県ボクシング連盟会長)、菊池浩吉氏(54、宮崎県ボクシング連盟副会長)のいずれかが立候補する形で調整中。また新理事には公平性を担保する意味もあり弁護士も加わる方向だ。臨時総会で、新体制が発足次第、すぐさま、山根独裁体制で燻っていた問題についての大胆な改革に手がつけられるが、その目玉となりそうなのが、プロアマの間にあった壁を取っ払うプロ解禁プランだ。

 国際ボクシング協会(AIBA)は、2016年のリオ五輪からプロの参加を解禁した。
「実力差があり危険だ」などの賛否があり、プロ側からの批判も相次いだが、元3階級王者、井岡一翔に判定で勝ったタイの元IBF世界フライ級王者、アムナット・ルエンロン、WBA世界ミドル級王者の村田諒太に疑惑の判定で一度は土をつけた前王者のアッサン・エンダムら現役のプロボクサー4人が出場した。いずれもメダル獲得には至らなかったが、日本は、山根元会長が「プロは職業、アマは教育」の独自方針を打ち出してリオ五輪でのプロの出場は認められなかった。

 リオ五輪後に、元ミニマム級の4団体世界王者である高山勝成が、プロを引退して東京五輪への挑戦を表明。アマ登録を求めたが、山根元会長は門前払いを続けた。高山は署名を集めJOCに直談判、AIBAにまで訴えたが、事態が一向に動かなかったため、8月上旬にはスポーツ仲裁機構への申し立てまで行っていた。

 だが、臨時総会で新理事に立候補する関係者の間では、8日に新体制が発足次第、五輪へのプロ出場を日本でも解禁する方向性が固められた。ある改革派の関係者は、「高山選手のアマチュア登録も認めることになるでしょう」という見通しを語り、さらに「五輪の国内代表選考の形も見直したい。平等に全選手にチャンスが与えられ、誰もが納得する代表決定の方式にしたいですが、プロ参加の解禁を提案する考えです。民主的にプロ解禁が決まれば、現世界王者である井上尚弥選手、村田諒太選手にも、その東京五輪代表選考会に参加してもらい、五輪に出場してもらいたいですね」とまで言う。