飛び級抜擢を受けた20歳の堂安律に攻撃のキーマンとしての期待(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

 東京五輪世代のU-21代表を飛び越えて、森保ジャパンに大抜擢された20歳のMF堂安律(FCフローニンゲン/オランダ)が4日、札幌市内で行われている日本代表合宿に1日遅れで合流した。

 同じく4日に合流したDF植田直通(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)、MF中島翔哉(ポルティモネンセSC/ポルトガル)、MF南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)とともに、ランニングを中心とした別メニューでコンディションを調整した堂安は、ちょっと意外な第一声を残した。

「世代別の代表でいろいろな服を着させてもらってきましたけど、小さなころから憧れてきた場所で、また違う意味の服を着させてもらうことがすごく楽しみでした。ただ、いざピッチに立ってみるとあまり実感がないというか。そういう思いで練習を見ていました」

 憧憬の念を抱き続けてきた、A代表の肩書を背負っての第一歩。胸中に抱いていたはずの高揚感や興奮を相殺したのは、自身に課された使命により心を震わせたからだろう。それはA代表の喫緊の課題である世代交代。攻撃陣では最年少となる堂安は、自らに言い聞かせるように言葉を紡いだ。

「そういう気持ちはみんなもっていると思います。ただ、世代交代といっても若い選手たちが結果を残さなければそうならないので、自然にそういう流れが来るのを待つのではなくて、自分たちからつかみ取りにいけるように頑張りたい。いろいろな人が『年齢は関係ない』と口に出していますけど、僕自身も心の底からそう思っている。言葉にするだけじゃなくて、ピッチのなかでそういうことを表現することで『アイツ、すげえな』と思われるようなプレーができたらいいと思っています」

 不敵さをも感じさせる、みなぎるような自信は新天地オランダに刻んだ鮮烈な爪痕と密接にリンクしている。ガンバ大阪から期限付き移籍で、オランダ1部のFCフローニンゲンへ加わった昨シーズン。右サイドハーフとして絶対的な居場所を築き、リーグ戦で9ゴール4アシストをマークした。

 シーズン終盤の今年4月には、フローニンゲン側が買い取りオプションを行使。完全移籍に切り替えて臨んだ今シーズンは背番号が「25」から「7」へと変わり、フィテッセとの開幕戦では早くもゴールを決めた。右肩上がりの軌跡を、堂安自身は「思われているよりも簡単ではなかった」と振り返る。

「結果だけを見ればスムーズに見えますけど、自分自身、いろいろな苦労をしたなかで考え方も変わった。そういう努力を経てA代表に招集されたことに対しては、自分のことをすごく褒めてもいいのかなと。ヨーロッパはゴール前における攻防の質がすごく高い。攻撃では点を取り切ることで結果や数字にこだわるところを、守備ではゴール前で体を張るところをずっと追い求めてきました」