森保監督率いるU-21代表はアジア大会の決勝で韓国に敗れた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 東京五輪まであと2年――。昨年12月に始動してから5度目の活動となったアジア大会は、これまでナイーブなミスを繰り返してきたU−21日本代表にとって殻を破るきっかけになったのではないか。
 グループステージ第3戦のベトナム戦前半、ハイプレスの餌食となって失点し、そのまま腰が引けたような消極的なプレーに終始すると、森保一監督が激怒する。

 このハーフタイムの出来事を機に、球際で戦う、ハードワークする、といったサッカーの本質と改めて向き合うようになり、それ以降、必死にボールを取り返しに行き、身体を張ってゴールを守って、接戦をモノにしていく。
 過密日程のなか、負傷者を出しながら、試合を追うごとにタフさを身につけてファイナルまでたどり着いたのは、若き選手たちにとって自信になったに違いない。

 なかでも大きかったのは、決勝という舞台で韓国代表と戦えたことだろう。
 21歳以下の日本に対し、韓国は23歳以下のメンバー編成。しかも、ファン・ヒチャン(ハンブルガーSV)、イ・スンウ(エラス・ヴェローナFC)といったロシア・ワールドカップに出場した海外組を招集しただけでなく、トッテナムのソン・フンミン、A代表の正GKであるチョ・ヒョヌ、ガンバ大阪で活躍するファン・ウィジョと、3人のオーバーエイジまで加えていた。

 彼らは金メダルを獲得すれば兵役が免除となるため、今大会にサッカー人生を懸けており、スタジアムはアウェーのように真っ赤な韓国サポーターで埋まっていた――。

 これだけのシチュエーションで、日韓戦に臨むのはめったにないことだ。

 日本の選手たちは臆せず球際のバトルを仕掛けたが、なかなかボールを奪い取れなかった。韓国の選手たちはフィジカルコンタクトに強いばかりか、アングルの作り方、サポートの動きも的確だから、簡単に逃げられてしまうのだ。

「スピードや失わない力は、これまでの相手とは全然違った。ボールを奪い切れたシーンはなかった」

 3バックの左に入った板倉滉(ベガルタ仙台)が、そう言えば、ソン・フンミンとマッチアップすることの多かった右の原輝綺(アルビレックス新潟)も振り返る。

「みんな足が速いし、フィジカルが強い。それにパスを出すタイミングも独特で、飛び込んだらかわされてしまう。だから、まずは前を向かせないようにしたつもりですけど、できていた部分とできなかった部分がある」
 それでも粘り強く食らいつき、最後のところで身体を張って延長戦へと持ち込んだ。こうした日本のゲーム運びに対して「日本は誇りと哲学を放棄した」と論じた韓国メディアもあったが、放棄したわけではない。

「もう少しボールを握って、攻撃の時間を作れればさらによかった」と森保監督も振り返ったように、ボールを保持したかったが、できなかったというのが現実だ。

 結果、1−2で敗れたが、このレベルに勝てるようにならなければ、東京五輪で躍進することなど不可能だろう。メダルを獲得するためのモノサシを得られたこと――それが、アジア大会における収穫だ。