3か月ぶり投手復帰した大谷翔平だったが右肘に新たな異常が発覚した。手術した場合、来季の復帰計画はどうなるのか?(写真・アフロ)

 大谷翔平は試合前、いつもよりバタバタしていた。

 通常、クラブハウスに来ると、着替えてから少しのんびりしている。しかし今日は、すぐに姿が見えなくなり、その後、クラブハウスを横切り、小走りで監督室がある方向へ向かった。

 その時、いつもマイペースの大谷でもこんなに慌てることがあるのか、と感じた程度だったが、今となっては、すべてが繋がる。

 間もなくしてエンゼルスの広報が、「5日昼、大谷はアーリントン市内の医療機関でMRI(磁気共鳴画像)検査を受け、右肘の側副靭帯に新たな損傷が見つかった」と発表した。

 その日、大谷は次の先発に向け、ブルペンで調整する予定だったが、もちろん、フィールドに姿を見せることはなかった。

 前兆そのものがなかったわけではない。3日前、大谷は88日ぶりのマウンドに上った。まずまずの立ち上がりだったが、3回になると急に球速が落ちた。4シームの平均球速が初回は97.4 マイル(約157キロ)だったのに対し、3回は91.4マイル(約147キロ)。約10キロの差は、たまたまではありえない。

 試合後、そのことが話題になると、マイク・ソーシア監督は、「腰に張りを感じていたのと、2回に素手で打球を捕りにいったときに指を痛めた」と話し、肘に関しては「問題ない」と強調した。

 大谷も腰の張りについては、「明らかに練習で投げる出力よりも高いですし、体にかかる負担ももちろん大きくなる」と説明。原因が久々の登板であることを仄めかし、手に打球を当てたことに関しては、「(3回は)当たった直後よりかは違和感があった」と語った。

 そこに矛盾はないが、知り合いの米記者は、「腰の話をそのまま受け入れるには、無理がある」と話し、再発を疑った。

 実際大谷は、登板後から右肘に張りがあったという。ソーシア監督もそのことは把握していた。それがしかし、靭帯に起因するものとは考えていなかった。

「大谷は、しばらく投げていないことによるものだと考えていたようだ」とソーシア監督。大谷も、「試合のレベルなんで多少張りはあります」と捉えた。ところが、通常なら徐々に引く張りが消えない。4日夜、5日に検査を受けることが決まると、明らかになった結果は、想定外でもあり、想定内でもあった。