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 全国にも知られた長野県千曲市の「姨捨の棚田(おばすてのたなだ)」で、同県が稲刈り体験の参加者の募集を始めました。棚田の景観や保全に関心のある人や、稲刈りの経験がない人も参加でき、県として初の試み。地元では千曲市が棚田のオーナー制度を続けており、県も含め棚田との関わりを通じて農業や自然環境への理解を深めてもらう試みです。

【動画】「棚田の危機」救えるか 長野でオーナー会員らが田植え(2016年6月掲載)

棚田や中山間地農業への理解深める狙い

[写真]遠く市街地を望む姨捨の棚田(9月2日)

 県の稲刈り体験は9月29日に現地で予定(雨天決行)し、募集人員は25人。定員に達し次第、締め切ります。参加費は1人1500円で、昼食を注文する場合は参加費2000円。参加申し込み用紙は県の魅力を発信するブログ「ほっとスタッフブログながの」に掲載してあり、申し込み締め切りは9月14日です。

 棚田は水田の形が不整形で小さく機械化が進まない上、農家の高齢化で放置される例が多く、中山間地の農業振興、自然環境の保全の課題とされてきました。棚田のオーナー制度や稲刈り体験はその実情を理解し、中山間地の農業に関心を持ってもらうのが狙い。

 県の長野地域振興局農地整備課は「稲刈り体験を通じて、棚田や中山間地農業、農業をめぐる変化などに関心を持ってもらえれば」と話しています。

 地元の千曲市は「棚田貸します制度」で毎年棚田のオーナー会員を募集。体験コースではおおむね1区画100平方メートルを1平方メートル当たり300円、1区画で3万~4万円で貸し、オーナーは田植え、草刈り、稲刈り、脱穀作業に参加。1区画当たり約50キログラムの玄米を持ち帰ることができます。

 国の重要文化的景観にも指定されている姨捨の棚田は、田毎の月(たごとのつき)で知られるほか、姨捨から眺める善光寺平の輝く夜景が観光名所になっており、秋のシーズンに向け県内外から訪れる人でにぎわいます。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説