スズキ、新型「ジムニー」を発売(写真:つのだよしお/アフロ)

 「好景気の株高」なら、誰しも納得する。しかし、株式マーケットには古くから「不景気の株高」という言葉があって、投資の初心者は面食らってしまうことが少なくない。「好景気の株安」ないしは「好業績の株価低迷」も、そうだ。日経平均は5月下旬以降、2万3000円をめぐる攻防が続き、閉塞感も広がりはじめた。しかし、「打つ手なし」のマーケットか、と言えばそうではない。しっかり収益を上げている「稼ぐ力」の大きい銘柄は、こうした低迷相場でこそ、狙いをつけるチャンスなのだ。(解説は証券ジャーナリスト・駿河一平)

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 5月21日の取引時間中に2万3050円を付けたあと、日経平均は2万3000円台を終値で越えられない膠着相場が続いている。貿易摩擦やトルコリラの急落、6日未明に発生した北海道地震を含む自然災害がマイナス材料としてなどがマイナス材料が足を引っ張っている結果だが、上場企業の業績が悪いわけではない。むしろ、逆。今3月期の経常利益は「7期連続」、かつ「2期連続で伸び率が2ケタ」になりそうだ。

 日々、カウントされる日経平均採用銘柄ベースの平均予想EPS(一株利益)は8月後半から史上最高値を更新する日が相次ぎ、9月5日には1742.3円と初の1740円台に乗せ、6日は1744.60円に向上。

  にもかかわらず、株価は低迷したまま。日経平均は8月31日から9月7日まで6営業日連続で下落。予想PER(株価収益率)は6日現在、12.89倍と、2012年11月半ばからスタートしたアベノミクス相場では下限ゾーンにある。それだけ、株価は割安状態に置かれているわけだ。こうした局面は、評価付属の好業績銘柄をじっくり仕込むチャンスになる。

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「進ちょく率」でふるい分け

 と言っても、銘柄をふるい分けのは難しい、と思われる方が大半だろう。業績面から選別するうえで、有力、かつ単純な選別ポイントがある。今3月期に入ってからの上場企業の今年度第一・四半期(以下、1Q=4~6月)の収益状況と通期見通しを遡上(そじょう)に乗せる方法だ。

 1Q、つまり今年度立ち上がり3カ月間の収益の実績が、会社側が打ち出している年間(=通期)の見通しに対し、どの程度に達しているかをチェックするのだ。これを、「収益の進ちょく率」による銘柄ふるい分け、と言う。

 例えば、ある企業の1Qの利益が5億円だったとする。この会社の通期の見通しがは20億円。したがって、1Qの5億円を20億円で割った25%が進ちょく率になる。3カ月タームの四半期決算だから、1Q実績は通期見通しの4分の1、すなわち25%であり、この会社はオンライン(計画通り)で、まずまずのペースという評価が下される。

 ところが、もし1Qの利益が予想以上の伸びを示した結果、10億円を計上したとしたら、10億円割る25億円で進ちょく率は一気に40%にアップ。 3カ月間で通期計画の4割を稼ぎ出したのだから、「現在のペースでいけば残り9カ月の成果によって通期見通しを大きくクリアするのではないか」という予測と、それに基づく上ブレ期待がマーケットで幅を利かせるようになる。

 逆に1Qの進ちょく率が10~20%レベルにとどまるなら、通期業績の下方修正懸念が台頭。株価は失望売りに押されてしまう。