「スクランブルスタジアム渋谷」のイメージ図(c)Atelier Tsuyoshi Tane Architects

渋谷の都立代々木公園内の南側に3、4万人収容の多目的スタジアム「スクランブルスタジアム渋谷」を建設しようという構想が13日、渋谷区の外郭団体である一般社団法人「渋谷未来デザイン」から発表された。発表は、渋谷キャストで市民参加のパネルディスカッション方式で行われ、日本トップリーグ連携機構代表理事、会長の川淵三郎氏、元日本代表の福西崇史氏、コンサートプロモーターズ協会会長、ディスクガレージ会長の中西健夫氏、坪田塾塾長の坪田信貴氏、都市デザインの専門家のロフトワーク代表の林千晶氏、広島のマツダスタジアムの設計などに関わった追手門大学准教授でスポーツファシリティ研究所代表の上林功氏を招いた。
 
 新スタジアムのコンセプトは「すべての人に開かれたスポーツ・文化・情熱の聖地を、渋谷区に」というもの。プロジェクトリーダーで渋谷区の観光協会理事長でもある金山淳吾氏は、「いろんな形で代々木(スタジアム)のシナリオがあったが、実現しようとした形跡はない。防災の観点でも、トイレが足りるの?などの問題があり、野球は神宮球場があり、ラグビーは秩父宮があるのに、なぜ23区にサッカーのトップリーグ(J1)のチームがないの?という疑問もあった。成熟した国際都市、渋谷の中心エリアにスポーツとエンターテイメントカルチャーの聖地を持つことは必須だと考えた。市民の誇りであり、渋谷で学んでいる人、働いている人、遊びに来る人、すべての人の誇りになるような場所作りを目指したい。特定の業界や政治家から作りたいと発信するのではなく、市民からのやりたいという声を集めて民間主導で実現することに意義がある」と、発案理由を説明した。

 単なる箱物ではなく、スタジアム周辺の複合的な開発も同時に行い、シビックプライドを喚起して、地域コミュニティを活性化、教育の場、或いは、VIPルームやトイレなどを防災時の避難場所としても活用し、地域経済の発展にもつながる「渋谷だけでなく日本のシンボルプレイス」を目指したいという。

 この日は、建築家の田根剛氏が作成した完成イメージパースも公表された。新国立競技場のデザインの最終選考に残った建築家で、その際も、自然と調和した古墳型のスタジアムを提案した。今回のスタジアムは周辺の緑を削ることなく、自然の生態系を生かしたまま、そこに溶け込むスタジアムにしたいという考えがあり、その思想を持つ田根氏に、あくまでイメージとしてイラスト製作を依頼したという。