大坂なおみの凱旋帰国会見には多くのメディアがかけつけた。その質問の低俗さにSNSでは疑問の声が出ていた(写真・アフロスポーツ)

今年のオールスターゲーム前日、出場する選手が1時間ほど囲み取材を受けたが、その時誰かが、マイク・トラウト(エンゼルス)に聞いたそうだ。

ーーチームの中で、一番オシャレなのは?

「ルイス・バルブエナだ」

ーーでは、一番ダサいのは?

「それは、大谷だよ。遠征のときなんて、ずっと同じシャツを着ているから」

 この話は、日米のメディアがさっそくツィートして、話題にもなった。

 愚問にも聞こえるが、それが許される場である。  

 9月13日に、テニスの全米オープンを制した大坂なおみ(20、日清食品)が帰国し、その足で横浜市内のホテルで行われた凱旋帰国記者会見の記者からの質問がひどすぎると、ネット上で話題になった。
 テニスに関係のない質問が多く、SNS上では、そのことへの不満の声が少なくなかったが、日本のジャーナリズムのリテラシーが問われる会見だったのか。

 そもそも、この会見は、どういう場だったのか、を考察しなければならない。

 スポンサーらが話題作りのために、普段はテニスを取材しないメディアまであえて受け入れたのか。あくまでスポーツメディアを対象とし、専門的なやり取りを望んだのか。

 前者であれば、ああいうやり取りになることは予想される。後者であれば、そうではない人が、紛れて入って来たのか。質問者の所属を見る限り、テレビのワイドショーのレポーターが少なくなく、多くの朝の番組内で生中継されていた。会見を設定した側の意図はともかく、取材する側が、必ずしもジャーナリストばかりが集まっていたわけではないことを考えると、SNS上で「もっとましなことを聞けないのか」という批判が出るような、やりとりになったことも仕方がなかったのかもしれない。

 いずれにしても、会見とはいえ、どういう趣旨で行われたかで流れは異なり、アメリカの4大スポーツの会見でも、冒頭でも紹介したように、そのスポーツと全く関係のない質問が飛ぶことはある。

 特に顕著なのが、大リーグやNBAのオールスターゲーム。こういうイベントには、普段そのスポーツを取材しない人も訪れ、さらには、取材慣れしていない海外メディアにも取材パスが発行されるため、予想外の展開になったりもする。

 だが、選手もある程度理解しているので、手慣れたもの。

 メディアによっては企画を絞り込み、例えば、ニューヨークでオールスターが開催されるとしたら、「あなたのニューヨークでのおすすめレストランはどこ?」といった同じ質問を選手に聞いて回ることがある。それに対して選手も、ノリノリで答えたりする。

 野球記者らには、「そんなこと、他でやってくれ」とじれったくも映るはずだが、冷たい視線を向けられる側にしてみれば、「あなた方には、普段から取材する機会があるじゃないですか」となる。

 そもそもオールスターゲームのようなお祭りだから、そんなことが聞ける。