妻の加奈子さんが情報発信と現場仕事を、夫の昭博さんが管理業務全般を担当する協業スタイル。昭博さんの裁量で経理や事務の仕事時間をやりくりできるため、育児や地域活動を含め、幅を持たせた活動が可能になっている

 5人の子どもを育てる経験の中で、保育園を作るに至った夫婦がいる。横浜市都筑区に住む菊地昭博さん・加奈子さんだ。家族のあり方を探る中で、妻の加奈子さんは、専業主婦からの受験勉強時代を経て国家試験受験、社会保険労務士として独立開業とキャリアを重ねた。大手企業に勤め、「当初は自分の環境が変わるとは思ってもみなかった」という夫の昭博さんだったが、妻に起こる環境の激変と子育ての重要性の実感が深まる中で、子育てしながら働くことへ寛容でない社会に疑問を持ち、一念発起。保育園を開業し、妻の社会保険労務士事務所とともに経営する会社を起こした。保育園開業を含めた起業は、大家族と仕事を両立させるために最良の選択だったと話す昭博さんに話を聞いた。

私「待機」やめました(1) 夫婦交代制の育児

7人家族で大移動

 きょうは徳島、明日は札幌――。全国各地を飛び回り、セミナー会場に立つ社会保険労務士の菊地加奈子さん。5児を子育てしながら社会保険労務士として開業し、保育園も経営する。専業主婦経験もあるワーキングマザーであり、働く女性の思いと雇用する企業の立場の両方を熟知するとして、女性の社会活躍推進の現場では知らない人がいない、今をときめく存在だ。

 東京周辺で講演するとき、子どもたちを車に乗せて会場周辺で待機している昭博さんの姿がある。移動時間短縮などの意味もあるが、アレルギーがあり粉ミルクが難しかった四女への授乳など、家族と加奈子さんがなるべく一緒にいた方が家庭も仕事も円滑にまわるため、菊地家が取ってきたやり方だ。

 加奈子さんが朝早く飛行機で出張するときは、幼稚園・保育園の子どもたちを乗せて一緒に空港へ。母親を見送ったあと、昭博さんが開園時間になった保育園に送っていく。幼稚園に通う2人も保育園で幼稚園の送迎バスを待つのだ。菊地家の子どもたちは現在上から小学6年生、3年生、6歳の女児、4歳の男児、2歳の女児の5人。自宅とオフィスは別に構えているが、複数の子どもを育てながら、アクティブに活動するためには「車」は2人にとって必需品。目の離せない乳児や手のかかる幼児がいる時期はなおさら子どもに目が届きやすく、安全な「移動手段」であり「個室」でもある。共に会社を経営する2人がそろう車内では、移動しながらの打ち合わせや報告会議も日常茶飯事だ。

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