今月1日で開園100周年を迎えた大阪市天王寺区の「天王寺動物園」。大阪を中心に関西では誰もが知る老舗動物園だが、その事務所を訪ねると「動物園改革担当部長」の札が掲示された部屋が。中に入ると書類がいっぱい並べられた机で牧慎一郎・天王寺動物園改革担当部長(43)が仕事に取り組んでいた。牧部長は元文部科学省のエリート官僚だったが動物園好きが講じて昨年7月に公募されていた同部長職に応募。同省を退職し同部長に就任した。「TV チャンピオン」(テレビ東京)の「全国動物園王選手権」覇者という経歴も持つなど、動物園ユーザーや行政など「様々な視点」を持ちつつ、動物園将来計画を作るチャレンジする日々を送る。そんな牧部長の生き方に迫る。

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TVチャンピオン・全国動物園王選手権の覇者

[写真]自らもキャラとなり天王寺動物園をPRする牧慎一郎・動物園改革担当部長

 「わたしの仕事自体は、今後の天王寺動物園の将来計画を作ることと動物園のサービスとかをしっかり改善していくこと。大きくこの2つですね」

 昨年7月就任後「来年度にしっかりとした計画を作れるように」を目標に、様々なチャレンジに取り組む日々。「動物園のコレクションプランを作ろうということで、有識者を集めて議論して。例えばですが『動物のリストラプラン』なども考えていますね。この動物は頑張っているから、この動物はあきらめるとか」

 それとは別に、自らが持つユーザー目線で「目の前の改善」にも取り組む。「たまたま私自身が『動物園ヘビーユーザー』なものですから『ここはなおしたほうがええで』という風にやってるんです」

 このヘビーユーザーさを裏付けるのが、今から9年前にテレビ東京系列で放送された「TVチャンピオン・全国動物園王選手権」でチャンピオンに輝いたことだ。そうしたこともあり、元々動物園好きの間では、知られた存在でもあった。

「官僚」「動物園ヘビーユーザー」の視点で改革

[写真]TVチャンピオン出演時にしていたゼッケン。牧部長は優勝を飾り「全国動物園王」に輝いた

 そして、仕事の経歴をみると、なんと1995年に科学技術庁に入庁。2009年には文部科学省科学技術政策研究所企画課長。そして2013年、ついこの間までは内閣衛星情報センター管理部付調査官を歴任するなど、いわゆる「エリート官僚」の道を歩んでいた。

 しかし、なぜその職をなげうってまで、この公募の部長職に応募したのか? 勝手な想像から「天王寺動物園が子どものころから好きだったのか?」と聞くと「いえ、特にそういう思いはなかった」という意外な答えが返ってきた。

 「よく『子どものころから動物園マニアだったの?』と聞かれますが普通でした。もちろん大阪出身なんでここに来たことはありますけどね。逆に興味を持ち出したのは文部科学省の役人をしていた社会人4年目くらいからのことです。ペンギンが好きになって見て回ってたんです。任期は3年やけど、大阪出身のわたしにとってはなじみの動物園やし、この3年改革に取り組みたかったから。わたしは動物園ヘビーユーザーの視点と、これまでの勤務先で培った『行政的な視点』を持ってるんで」と応募時を振り返る。

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