[写真]河川広場活性化の社会実験事業、BBQレストランカフェがオープン。後方に大阪ガスのタンクなどが見える

 大阪市西部に位置し、全体が「運河」に囲まれた島状の地形という「大正区」でいま、川と海に囲まれた「水辺のまち」に期間限定で登場した「Taishoリバービレッジ」(同区三軒家)が話題を呼んでいる。「南国リゾートムードの秘密基地」としてオープンしたものだが、これは同区が抱える人口減少に歯止めをかけるため、水辺のにぎわいを取り戻し、区民はもちろん区外の人たちも呼び込んで活性化させるための珍しい「社会実験事業」だという。同区の筋原章博区長(52)は「来年は常設化し、本格展開していきたい」「一過性で終わらせたくない」と意気込みを見せている。

週末は大阪市内の人気店によるグルメ屋台も

[写真]夜は秘密基地らしく雰囲気バツグン。ミニ周遊クルーズも

 京セラドーム大阪対岸の尻無川河川広場に新設された「Taishoリバービレッジ」は、南国の楽園風BBQレストランカフェ&イベントゾーンを構築している。

 「水都大阪の新たなアミューズメントです。バーベキュー&屋台グルメ、小型船によるクルージング、ライブイなど、水辺アトラクションやイベントを提供しています。全体で150人ほど収容可能なスペースで、大正区の魅力も発信します。バーベキューの素材は真空パック化されたものですし、エコの炭を使ってます」と話すのは、リバービレッジ村長の渡邉利幸さん。

 日本バーベキュー協会の監修による「スマートバーベキュー」をメインに、水辺で、手ぶらで楽しめるという。また、週末には大正区をはじめ、大阪市内の人気店によるグルメ屋台も登場。バーベキューセットは4500円(2人前)だという。

人口流出の歯止めをかけるのが狙い

[写真]「人口流出に歯止めをかけたい」と語る筋原章博区長

 広場を眺めながら「人口流出がずっと悩みのたねで、それに歯止めをかけるのが狙いです」と語るのは、筋原区長。「おもしろい人たちに集まってもらって、おもしろいエリアをつくりたいということで、エッジの立った場所として、このエリアを選びました。どんな採算でいけるのか、どういうものを売ったらいいのか、そういう諸々のものを探ろうというわけです」と続ける。

 そのデータを分析して来年は常設化し、本格展開していきたいと思っているという。「一過性で終わらせたくないんですよ。大正区はもの作りの街で製造業が中心。そういう会社にお勤めの方の社宅なども多かった。でも、産業構造の変化に伴い、工場の縮小や撤退などで人口が減ってきたんです」

 同区ではこの事業に2600万円の独自予算を組み「大正区尻無川河川広場活性化プラン」を企画し、社会実験として実施。予算はエリア開発費、広報活動、同エリア及び他のエリア分析費などで、来年から常設化を目指すという。

 中之島や道頓堀など水都大阪の活性化エリアが話題を呼ぶなか、ここは都会的な魅力とは一線を画した下町。果たして秘密基地という非日常空間が人口流出に歯止めをかける一助となるか。注目したい試みと言える。

 「Taishoリバービレッジ」は7月7日までで、営業時間は午前11時~午後11時(雨天営業)となっている。
(文責/フリーライター・北代靖典)