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 京都市下京区にある「東本願寺」の飛び地境内地の「渉成園(しょうせいえん)」で、バガボンドで人気の漫画家・井上雄彦氏が描いた屏風絵「親鸞」などが特別公開されている。今年で2回目だが、迫力ある作品に訪れたファンらは見入っていた。さらに版画家の棟方志功の襖絵も公開されており、1958年(昭和33年)に描かれた貴重な作品は保存状況もよく、独特の世界観を味わえる。公開は3日まで。

屏風絵はともに高さ2メートル、幅約6メートル

[写真]バガボンドの井上雄彦氏が描いた屏風絵「親鸞」、圧倒的迫力でファンを魅了

 名勝「渉成園」では、人気漫画「バガボンド」の作者、井上雄彦氏が描いた宗祖・親鸞の屏風絵などが公開されており、この屏風絵は2011年の親鸞の750回目御遠忌にあわせ、真宗大谷派が記念事業の一つとして井上氏に依頼し、同年3月に完成したもの。

 六曲一双の屏風の右隻には民衆の中にいる親鸞が、左隻には静かに座る姿がそれぞれ描かれている。静と動、まさに対照的な親鸞像のこの屏風絵はともに高さ2メートル、幅約6メートルの壮大なスケールで、称賛する声が多く、圧倒的な迫力と言える。井上氏はバガボンドの連載中に、プレッシャーを感じながら、この作品を描いたという。

 「井上さんには2010年5月に依頼し、2011年の親鸞聖人750回忌に合わせて完成して頂き、こちらで出させて頂いた。昨年は3日間で約6200人の方がお見えになりました。今年で2回目ですが、来年の予定は未定です。定例にしたいとは思っているんですが…」(東本願寺総務部広報の谷俊さん)

版画家の棟方志功の襖絵44面がある「園林堂」も公開

[写真]棟方志功の襖絵44面も公開、独特の世界観が味わえる

 また、親鸞聖人は今から約800年前(平安末期)、京都に生まれた。4歳で父と、8歳で母と死別し、世の無常を嘆いた親鸞は、9歳で出家を志し、比叡山天台宗の僧侶となった。

 しかし、29歳の時、叡山では悟りに至る道を見出すことができず、下山を決意。同じ年、京都・吉水で本願念仏の教えを説いていた法然上人から教えを受け、以後、90歳で亡くなるまで、すべての人が幸福になれる1本の道、弥陀の本願一つを説き続けたといわれる。

 今回の特別公開は昨年から始まったものだが、屏風絵のほか、普段は非公開で、版画家の棟方志功の襖絵44面がある持仏堂「園林堂」も公開されている。作品は「天に伸ぶ杉木」や「河畔の呼吸」などで、こちらも独特の世界観が広がっている。

 「棟方志功は版画で有名ですが、こういう絵も描いていたというのはあまり知られていません。ただ、もともと色を使った絵も描いていたんですね。ガラス越しではなく、至近距離から見られるので喜んで頂いてます。一方、バガボンドの屏風絵は20代~30代の若いファンの方がけっこう多いです。迫力があるって、こちらも好評です。バガボンドだけを見て帰られる方もいますよ」(同)
(文責/フリーライター・北代靖典)