八幡市駅と石清水八幡宮を結ぶ男山ケーブル

 京阪八幡市駅と石清水八幡宮を結ぶ京都府八幡市の男山ケーブルで29日から車内放送のリニューアルを行う。それに先駆け京阪電気鉄道は26日、試乗会を開いて車内放送を公開し、車内メロディを担当した音楽を担当した音楽家の向谷実さんも出席した。向谷さんは乗車後「自分の今までやってきた鉄道の仕事の中で相当興奮してやりました」「オーディオシステムはたぶん、日本の鉄道車両で『最強』だと思う」とうれしそうに話していた。

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4回にわたって八幡市へ 会議室で生まれた曲も

[写真]京都男山ケーブルの車内メロディについて話す向谷実さん=26日午後3時すぎ、京都府八幡市で

 同社によると、今年2月に石清水八幡宮の本殿など、社殿10棟が国宝に指定。昨年12月には同ケーブルが「運行開始60周年」を迎えたことから、2つの慶事を記念し車内放送の刷新に至った。そこで、同社18駅の発車メロディをはじめ、全国各地の発車・到着メロディを手がける向谷さんに依頼することになったという。

 しかし、向谷さんは様々なメロディを作ってきたものの「ケーブルカー」の音楽を作曲するのは初めて。このメロディ制作にあたり、合わせて4回にわたって八幡市へ来て乗車したという。

 そして、通常・正月・七五三の3タイプを作ることが決まったという。また、京阪関係者と会議室で話していて生まれたメロディなどもあり「それは七五三なんです」などと明かした。

オーディオシステムは日本の鉄道車両で最強だと思う

[写真]スピーカーを設置する角度なども考えられているという

 向谷さんは「何度かのやりとりをへて、きょうを迎えたんで気分的には大変うれしいです」と満足の表情を浮かべる。

 そして「自分でいうのもなんですがうまくいってると思うんですよ。鉄道車両の中の決められた時間内の空間の中のナレーションと音楽がシンクロできたのは、何度も打ち合わせをした京阪さんのご協力も去ることながら、自分の今までやってきた鉄道の仕事の中で相当興奮してやりましたので一ユーザーとしてたまんないなと思いました」と笑顔で続けた。

 このほか「ケーブルカーを意識した点は?」との問いには「ケーブルカーは急勾配で2つ大きな要素があって、音楽的に上りと下りを変えようと思った」と話し、Bose製スピーカーの配置を斜め対角線にしたと説明する。

 これによって、音楽的には上りの時は、左から右に音が流れると、通常のサイドに置いておくと「ただの左から右に流れるだけ」となるが、斜めに設置することにより、全部とは言わないが利用者が「下から上に駆け上がっていく」というフレーズを感じられるようアレンジしているという。そして、下りはその逆というわけだ。

 向谷さんは「その部分を京阪の車両部のみなさんと相談して、あまりこういうケースはないと思うんですが一から今回できたんで『スピーカーをなんにしましょうか』とかできた」とうれしそうに話す。そして最後に「オーディオシステムはたぶん、日本の鉄道車両で『最強』だと思う」と言い切った。