バレーボール・プレミアリーグ女子のレギュラーラウンド上位6チームによるV・ファイナルステージ「ファイナル6」が12日、開幕。1回戦総当たりで争い、最上位チームは優勝決定戦へ、2位と3位のチームは「ファイナル3」を戦い、勝者が優勝決定戦へと進む。今季で引退を決めている木村沙織の東レ(ホームタウン:滋賀県大津市)はレギュラーラウンド6位。 “下克上”で2011/2012シーズン以来、5季ぶりの優勝を狙う。

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みんなで東レらしい爆発力のある試合ができたら

[写真]「東レアローズらしいバレーで最後まで」と語る木村沙織

 「今年で50周年を迎えるVリーグ。ここを自分のバレーボール人生最後の場所にしたいと思っています」──。昨年10月、プレミアリーグ開幕を前に「引退」の決意を語ったサオリン。五輪に4度出場、女子バレー界を実力、人気両面で引っ張ってきた。

 リオ五輪後に「もうバレーは十分」と辞めるつもりでいたため、やると決めるまで時間がかかりチームへの合流が遅れ、レギュラーラウンド序盤は攻撃などで思うような活躍ができず心配されたが、試合を重ねるごとに本来の動きを取り戻し、コンディションも「今はいい感じ」(東レ・菅野幸一郎監督)だという。

 「一つ一つ勝っていくことでしか先に進めないので、思い切り、みんなで東レらしい爆発力のある試合ができたら。攻撃までつなげられるように私や妹(リベロの木村美里)が絶対にコートにボールを落とさないという気持ちでディフェンスも頑張っていきたい」と木村はファイナル6への決意を語った。

まずはファイナル3までに入りたい

 木村の調子が上向いてきた理由の一つはそのディフェンス面のシフト変更。東レは天皇杯・皇后杯からレセプション(サーブレシーブ)をパスヒッターの木村沙織とリベロの木村美里の2人で取る形にフォーメーションチェンジした。

 当然、穴も増え木村自身の負担も大きくなったが、それが逆にプラスになった。「2枚レシーブを任せたことで、それを試合でこなしていることが自信になって他(のプレー)もよくなった」と菅野幸一郎監督。

 「東レアローズの一員でいられる事、妹と一緒にプレーができる事が幸せ」という木村にとって、妹と2人で東レというチームを支えられることは嬉しくやりがいのあること。それは2人の数字にも表れた。サーブレシーブ部門で木村沙織が2位(72.8%という高い成功率)、妹の美里も9位だった。

 もちろんそのシフトチェンジの一番の狙いの部分、攻撃面でも効果は出た。バックアタックも武器の迫田(さおり)、堀川(真里)が同時にコートに入り、攻撃に力と幅が増す。堀川が活きマークを引きつけることで、木村へのマークが減りブロックが1枚になったり遅れたりのケースも多くなった。

 ディグでの「最後まで諦めない」姿も目を引く。大きくコート外に出たボールにも跳びついた。どちらかといえば攻撃型で淡泊な印象だった東レに粘りが出てきた。「美里(木村)が中心となって少しでも上がったボールは諦めない、そんなプレースタイルがチーム内に伝染してつながっているボールが増えています」とキャプテンの峯村(沙紀)、木村(沙織)も「スパイクへの反応から細かい練習をやってきたことが試合にも出てきている」と手応えを感じていた。

 「最後に恩返しの思いで。日本のファンの皆さんの前でプレーできるなら嬉しいと思って」と木村は今季のリーグを戦うことを決めた。「6位が優勝して、このファイナル6でのポイント(持ち点)の差(1位が5点、6位がゼロ)ではだめでしょうって言わせるぐらいのゲームができたら」と菅野監督はそう言って笑った。

 「まずはファイナル3までに入りたい。特にあと何試合とか考えずに、東レらしいバレーを最後までやりたい」と木村。

 大好きな東レアローズのみんなと「最後」に笑えるように。サオリンのバレーボール人生のファイナルステージがついに幕を開けた。

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