梅の開花シーズンを迎えた。関西には名所がいろいろあるが、中でも和歌山「紀州石神田辺梅林」は、梅の産地の田辺市を代表する“天空の梅林”で、「一目30万本」と謳われている。近畿屈指の標高約300メートル。そこから眼下に梅畑が太平洋に向かって広がっており、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」の象徴とされている。そこで今回、開花に合わせて訪ねてみた。

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すり鉢状の梅畑は絶景「一目30万本」

[写真]世界農業遺産「紀州石神田辺梅林」で梅の開花=和歌山県田辺市で

 「紀州石神田辺梅林」は和歌山県田辺市が誇る天空の梅林。標高400メートルの「大蛇峰展望台」から眺めるすり鉢状になった梅畑は絶景で、“一目30万本”とも形容される。

 梅の種類は、南高梅(白)、皆平梅、古城梅、紅梅、白梅など。ちなみに、田辺市には、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」と世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」 という2 つの世界遺産があるが、世界農業遺産についてちょっと触れておこう。

梅生産量は日本国内の50%以上を占める

 世界15か国36地域のほか、日本では現在、8つの地域が認定されている。新潟県佐渡市、石川県能登地域、静岡県掛川周辺地域、熊本県阿蘇地域、大分県国東半島宇佐地域、岐阜県長良川上中流域、宮崎県高千穂郷・椎葉山地域。そして和歌山県みなべ・田辺地域だ。「みなべ・田辺の梅システム」は2015年12月、400年前から受け継がれてきた持続可能な梅を中心とする農業システムが認定されたもの。

 「『みなべ・田辺地域』では、ウバメガシの薪炭林(炭の原料となる木材を採取するための森林)を残しつつ、山の斜面に梅林を配置することで崩落を防ぎました。梅の花の受粉における二ホンミツバチの利用や薪炭林を残すことで水源を養い、梅林や里地の水田なども潤しました。こうした自然環境の保全により、豊かな生物多様性を維持し、400年にわたり生活を支えてきたのです。それが高く評価されました」(田辺市観光振興課)

 この地域は、梅生産量は日本国内の50%以上を占める「日本一の梅の生産地」だ。とりわけ、1965年の地域の統一品種として選抜された「南高梅」は梅干しの最高級品として知られ、日本の梅を代表するトップブランドになっている。

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