「駄菓子をもらうとき、笑顔と交換してね」

 3月12日の「だがしの日」を広める記念イベントが同日、大阪市東淀川区の大阪成蹊大学で開かれ、招待された地元の子どもたちがゲームをしてごほうびの駄菓子をもらいながら、楽しいひとときを過ごした。主催者は「駄菓子をもらうとき、笑顔と交換してね」とアピール。子どもたちは駄菓子が山盛り詰め込まれた袋を提げて家路を急いだ。

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真剣な表情で駄菓子のつかみ取りに挑戦

[写真]子どもたちは真剣な表情で駄菓子のつかみ取りに挑戦。「だがしの日は駄菓子と笑顔の交換日」をキーワードに、たくさんの駄菓子が振る舞われた=大阪市東淀川区の大阪成蹊大学

 「だがしの日」は、駄菓子と笑顔の交換日。駄菓子メーカーなどで構成された「DAGASHIで世界を笑顔にする会」(事務局・岡山県瀬戸内市)が提唱し、日本記念日協会の認定を得て制定された。昨年は岡山で記念イベントが開かれ、今年は拡大して岡山に加え、駄菓子産業が盛んな大阪でも開催。大阪大会は同会が大阪成蹊大学や東淀川区役所などの協力で開催にこぎつけた。午前と午後の2回開かれ、抽選で選ばれた東淀川区の子どもたち500人が招待された。

 子どもたちがゲームに挑戦すると、参加賞やごほうびの駄菓子をもらえる。ボールをパネルに当てるストラックアウトでは、縦、横、斜めに列ができれば、ビンゴ。成功したごほうびは、駄菓子のつかみ取り。子どもたちが駄菓子を両手でごっそり抱えると、丸ごと袋に詰めてもらえる。夢の瞬間だ。玉入れなどのゲームもするたびに、袋の中の駄菓子が増えていく。

 もらった駄菓子を入れて持ち帰れるよう、主催者側ではマイバッグの持参を事前に呼びかけていた。付き添いの保護者の中には、子どもに大きな袋を渡し、「たくさん入れてもらって」と大量確保に余念がない家計節約派も。用意された駄菓子は5万個。参加した子どもは500人だから、ひとり当たり100個の大盤振る舞いだった。

フランスで「駄菓子は素晴らしい」と称賛浴びる

[写真]駄菓子の素晴らしさを発信すると語る秋山秀行さん

 会場では、日本の代表的駄菓子800点がびっしり展示され、フランスの駄菓子も一部紹介。駄菓子現役世代の子どもたちだけではなく、郷愁を誘われたのか、保護者たちも興味深そうに見入る。駄菓子の持つ不可思議な魅力は何か。だがしの日プロジェクトを推進してきた秋山秀行同会会長は次のように話す。

 「一個数十円で買える品質の良い駄菓子が量産されているのは、世界で日本だけ。フランスで子どもたちを対象に、1ユーロで駄菓子をつかみ取りという企画を実施したところ、駄菓子は素晴らしいと賞賛を浴びました。日本の駄菓子製造は中小零細企業が支えてきましたが、中小零細だからこそ、経営効率にとらわれることはない。喜んでもらえる駄菓子づくりを続けることができました」

 各地の小さな工場から、工夫を凝らした無数のバリエーションの駄菓子が次々と送り出されてくる。つねに新たな話題を提供して、子どもたちを飽きさせない。商品単価が安いため、子どもたちも小遣いの範囲内で複数の駄菓子を購入ができる。迷いながら選ぶのも楽しい。駄菓子は多品種小ロット生産の持ち味を最大限に生かせる商品だ。

 海外の賞賛が、駄菓子関係者に自信を植え付け、背中を押してくれた。秋山さんらはだがしの日を制定し、駄菓子文化の内外への発信に動き始めた。

 「駄菓子があれば、子どもも大人もうれしい。駄菓子は世代や国境を超えて、世界中の人たちを笑顔にし、幸せにできる。駄菓子を贈り合うことで笑顔を交換しましょうというメッセージを発信していきたい」(秋山さん)

 古くから駄菓子とゆかりの深い紙芝居、ちんどん屋との3点セットで、イベントを組み立てる。秋山さん自身、紙芝居の演者に変身。戦場で兵士が持っている武器を駄菓子に交換することで戦争が終わり、世界に平和が訪れるというストーリーを子どもたちに語って聞かせた。

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