先月23日、報道陣に公開されたJR西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」。これまでは車体の保護を兼ねて黒いラッピングフィルムに覆われていたが、3月上旬からは本来の姿である濃緑色での試運転を開始。沿線の各所では、たまたま遭遇した人たちが盛んにカメラを向けていた。

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[写真]本格的な試運転を開始した「トワイライトエクスプレス瑞風」

 JR神戸線の駅や沿線には何人かの鉄道ファンが“その時”を待っていた。やがて、向こうから4灯のヘッドライトが見えるとテンションは最高潮に。目の前を通過するピカピカの車体に向けて、シャッターを連写していた。

 試運転の時刻は公表されていないが、筆者の隣で撮影していた高校生の鉄道ファンは「SNSで目撃情報が出ていたので、カメラを持って駆けつけた。間に合ってよかったです」と笑顔を見せた。

 この日は、途中いくつかの駅で停車しながら試運転を実施。各駅では偶然居合わせた人々が、突然の“珍客”にびっくりしながら、あわててスマートフォンで撮影する姿も見られた。子どもと神戸市内へ出かけるために列車を待っていた親子連れは「まさかこんなところで見られるとは。本当にラッキーです」学校帰りだという女子高生の3人組も、「これテレビで見たやつだ!」とはしゃぎながら、列車の前で自撮りしていた。

[写真]試運転列車が通る駅には、SNSなどで情報を知った鉄道ファンが詰めかけた

 「瑞風」はほぼ全ての窓に目隠しがされており、中の様子をうかがうことはできなかったが、「ザ・スイート」の閉じられたカーテンの隙間からは、室内の様子が少しだけ見られた。買い物帰りで駅へ降り立った女性は「チラッと見ただけでも豪華さがわかる。いつかこんな列車に乗って旅行がしたいです」と話してくれた。

 「トワイライトエクスプレス瑞風」のデビューは6月17日。現在は主に大阪~姫路周辺で試運転が行なわれているが、今後は実際に走行する山陽本線や山陰本線などでも実施されるほか、今のところ走行予定がない路線でも、試運転を行なう可能性があるという。あなたの住む町を「瑞風」が駆け抜けることがあるかもしれない。
(文/伊原薫/鉄道ライター)

■伊原薫(いはら・かおる)大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。