大阪市西淀川区でものづくり力の発信に取り組む子ども広報部員「ものづくりレンジャー」たちが工場見学を行い、ものづくりの現場をつぶさに観察した。隊員たちは新中学1年から新小学4年までの10人。5人ずつ「に~よんGO!!」「ファイブ☆レインボー」の2チームに分かれて活動を展開。隊員たちは何を見て、どう感じたのか。「THEPAGE」の記者が、チーム「に~よんGO!!」の工場見学に密着取材した。

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隊員たちは自転車に乗って工場に集合

[写真]新免社長に溶射機の仕組みを教えてもらう子どもたち

 西淀川区千舟の新免鉄工所。土曜日の朝、ものづくりレンジャーたちが自転車に乗って集まってくる。普段の土曜日は会社が休みだが、隊員たちが工場内を安全に見学できるよう、一部社員が出勤。工場全体は稼働を停止した状態で、隊員たちに日ごろの作業を再現して公開する万全の態勢で臨んでくれた。

 会議室に集まった顔ぶれをみると、子どもたちの数が隊員たちより多い。従業員の家族向け見学会を兼ねているため、従業員の子どもたちも参加しているという。緊張感の中にも、くつろいだアットホームな雰囲気が漂う。

 新免謙一社長が会社のアウトラインを紹介。創業以来の歴史を、地域とのかかわりなどとともに報告していく。同社は表面処理加工のスペシャリスト。表面処理加工は鉄のさびや汚れを取り除き、鉄を塗装してさびなくする技術分野。同社は粒子状に熱した金属を吹き付けて鉄を守る防食溶射で技術を磨いてきた。理論的には100年さびない防食処理が可能だという。

 高速道路の表示板やトンネル工事の型枠、巨大パラボラアンテナなど、応用範囲は広い。隊員たちには分かりにくい技術分野ながら、人気のレジャー施設などで同社の技術が活躍していることを知らされると、隊員たちも大きくうなづく。同社がリポートされたテレビ番組のビデオを観た後、新免社長の案内で、いよいよ工場内へ。

鉄粉を吹き付け模様作りに挑戦

 工場内は天井が高い。いつもは巨大なクレーンが稼働しているが、この日は隊員たちのために停止しているので、安全だ。最初は恐々だった隊員たちも、徐々に緊張がとけていく。見学した工程は大きく分けてふたつ。ひとつは直径1ミリの粒状の鉄粉を、圧縮空気とともに鉄にぶつけてさびや汚れを取り除くブラスト処理だ。

 さびを取るとともに、鉄の表面がざらざらになるため表面積が広がり、表面に塗装をするとさびにくくなるという。子どもたちは鉄粉をつかんで、「重っ!」「重いで、これ」。どろんこ遊びの砂とは違う鉄粉のパワーを体感したようだ。

 ブラスト作業開始。シューシューという圧縮空気の噴出音と、ザーザーと鉄粉が吹き付けられる音が工場内に響く。離れて見守っていた隊員から「びっくりした」の声もあがったが、加工後の鉄の表面をさわって、「ざらざらや!」と納得する。

 ブラストで金属表面に模様を浮かび上がらせることもできる。隊員たちは小ぶりのステンレス製トレーを手に、模様作りに挑戦。新免社長の指導を受けながら、ゴーグルと手袋を装着して鉄粉を吹きかけ、花柄などの模様作りを楽しんだ。作業中の隊員の手元を、他の隊員たちが取り囲んでのぞきこむ。集中力や本気度が高まってきた。

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