上越新幹線で活躍するE4系車両 2020年度末までに廃車へ

[写真]上越新幹線で活躍するE4系。2020年度までの引退が発表された=撮影:伊原薫

 JR東日本は、上越新幹線で活躍するE4系車両を2020年度末までに廃車すると発表した。E4系の引退で、新幹線からは2階建て車両が消えることになる。

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初登場は国鉄末期の1985年にデビューした100系

[写真]名古屋市の「リニア・鉄道館」に保存されている、2階建て食堂車のエントランス部分=撮影:伊原薫

 新幹線に初めて登場した2階建て車両は、国鉄末期の1985年にデビューした100系である。東海道新幹線の2代目車両として開発され、「団子鼻」の0系とは対照的なすらっとしたシャープな先頭形状はたちまち子どもたちの人気者となった。

 この100系の目玉が、編成の真ん中に連結された2両の2階建て車両だった。相次ぐ値上げなどで航空機へ乗客を奪われていた国鉄が、スピードとともに快適性をPRするために導入。1両はグリーン車で、2階部分は通常の開放式だが、1階にはこれまた新幹線初となる個室が設置されており、芸能人や政治家らが好んで利用していたようだ。

 もう1両の2階建て車両は食堂車で、2階に客席、1階に厨房が置かれていた。エントランス部分に列車を描いたエッチングの飾りがあり、この中で食事がしてみたいとあこがれる人も多かったことだろう。途中の増備車からは食堂車でなくカフェテリアに変更されたため、食堂車が連結されていたのは全編成の4分の1ほどと少なかった。

 ちなみに筆者も2階建て新幹線に乗ったことがある。初めて乗ったのは2000年3月のこと。この月に食堂車が営業を終了することになっており「最後に一度だけでも、新幹線の食堂車で食事をしてみたい」と、そのためだけに東京へ行った。東京駅で列車に乗り込むと、出発前に食堂車へと直行。だが同じことを考える鉄道ファンは多く、すでに満席だった。

 ようやく席へと案内されたのは静岡駅の手前。メニューはハンバーグセットとカレーライスだけで(混雑が予想されるため、メニューが限定されていた記憶がある)、のんびり食事をする雰囲気ではなかったが、眺めの良い2階席での食事は忘れられない思い出となった。

スピードアップがしにくい

 一方、この間にJR東日本は1994年にE1系、1997年にはE4系を相次いで導入。こちらは100系のようなサービス向上ではなく、輸送力の増強が目的だった。

 100系とは違い、全車両を2階建て構造とすることで座席数を増やし、増加していた遠距離通勤客に対応。特にE4系は1編成の両数を10~12両から8両と短くする代わりに、2編成を併結した16両での運行を可能とし、朝ラッシュ時には絶大な威力を発揮した。

 だがこれ以降、新幹線の2階建て車両が製造されることはなかった。理由はいくつかあるが、新幹線を通勤・通学に使う人々が減ってきたことや、車両が重くなるためスピードアップがしにくい、などが主なものである。E4系の車両重量は、モーターがついた車両では60トン以上にもなり、「はやぶさ」などで活躍するE5系(約45t)よりも大幅に重い。

 最高速度もE5系の時速320キロに対し、E4系は時速240キロまでしか出せないため、特に速達列車が多い東北新幹線からは2012年に撤退。そして今回、上越新幹線からも姿を消すことになった。