近年、国内外から「宿坊」が注目を集めている。本来は寺院や神社に参拝する人のための宿泊施設だが、最近は一般の観光客にも人気を呼んでいるようだ。そんな中、大阪の都市部に日本初だという民間が経営する宿坊が大阪市天王寺区にオープンした。精進料理、写経や坐禅など修行も体験できる。どんな施設か、足を運んでみた。

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写経・写仏、読経、法話、坐禅、精進料理、護摩祈祷の体験

[写真]精進料理は内容盛りだくさんで、御飯、吸物のおかわり自由、残しても大丈夫だ

 宿坊「和空下寺町」は3階建て26室、今年の4月にオープン。広々とした空間で寺社や日本文化を体験できる“体験型宿泊施設”だ。写経・写仏、読経、法話、坐禅、精進料理、護摩祈祷の体験を取り入れている。客室は畳敷きに低層ベッドを配し、「和」のくつろぎと「洋」の機能性を兼ね備えた和洋室タイプ。館内着に作務衣を用意。日本的な雰囲気のなかで快適に過ごせる。

 同施設がある下寺町は、南北1400メートル、東西400メートルのエリアに約80の寺院が集中しており、関西屈指の寺町だ。逢坂、愛染坂、清水坂などの「天王寺七坂」、聖徳太子ゆかりの「四天王寺」、真田幸村が戦死した「安居神社」など歴史的名所も多く、通天閣のある新世界にも歩いて行ける。

 この日、午後6時に大広間で一斉に食事となった。精進料理は修行にいそしむ者の食事を指すが、食事の前に、桝井忠俊支配人から簡単な説明があった。

 「宿坊は和歌山とか高野山の辺りとか、京都であったりとか、そういうエリアにあります。通常、お寺さんがやってるわけですが、もっと近くにお寺を感じて頂けないかということで、うちは全国で初めて民間の宿坊として運営さして頂いてます。うちは無宗派です」

「ゆる~い感じの宿坊ですから」

[写真]坐禅体験の様子。精神統一を図る

 さらに精進料理についても、こう話す。

 「精進料理は本来、お坊さんが修行の時、人間が生きて行く上で必要最小限のものとして作られています。精進料理ですので、肉、魚は一切使っておりません。出汁もカツオの出汁ではなく、昆布出汁です。仏教では命あるもの、動物以外の植物も、命あるもので、精進料理であっても命あるものを身体に入れさして頂く以上、何1つ残さないという感謝の気持ちが大事です。お坊さんが食べている精進料理はまず量が少ないです。逆にうちの場合は、修行みたいなことをして頂いて、お寺参りは楽しくないな、と思われては嫌なので、ゆる~い感じの宿坊ですから、男性の方、女性の方、子供の方と皆さん、食事量が違います。足らない方は遠慮せずに、お寺じゃないのでおかわりをおっしゃって下さい。逆に多い方、さきほど残さないようにと言いましたが、アレルギーのある方もおられますし、嫌いなものもありますから、残して頂いてけっこうですよ」

 ビールなどアルコールの注文もOKだ。野菜や穀物を中心に作られているが、八寸、焚合せ、造里、天麩羅、小鉢、和物四種、吸物、御飯、香物と、盛りだくさんの献立になっている。

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