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 大阪市西淀川区役所がこのほど、子どもたちを対象にロボット教室を開催した。自律型ロボットにブラグラムを打ち込んで定められたコースを走らせる。西淀川区は金属加工などのものづくりが盛んなまちだ。折れ曲がったギザギザカーブ、立ちはだかる分厚い壁。子どもたちも難関をクリアして、ロボットをゴールさせることができるか。

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自律型ロボットでゴールを目指す

[写真]左手前のコースでロボットを試走させて不具合を発見すれば、ただちに右奥のパソコンへ移動してプログラムを修正する

 夏休みの昼下がり。午前中から始まった教室は昼休みをはさんで再開され、佳境を迎えていた。教室は小学4年から6年を対象に2日間開かれ、この日の参加者は12人。THE PAGE大阪がリポートしている「ものづくりレンジャー」の隊員有志も参加している。講師役を務めるのは、区内の中学校などで技術を教える教員たちだ。

 子どもたちの手元には自律型ロボットが1台ずつ。子どもたちはセンサーでロボットの動きを制御するプログラムをパソコンで入力し、コートに設定された進路に沿って、ロボットを走らせる。ロボットはコントローラーなどで操作を受けることはない。ハードとソフトが正常に作動すれば、ギザギザに折れ曲がった難所も自力でスイスイ進んでいく。最近関心が高まってきた自動車の無人運転技術にもつながるロボット制御の原点だ。

 コースを突き進むロボットに分厚い壁が立ちはだかる。ロボットは壁にタッチしたらくるりと反転し、今来た道を戻りながらゴールを目指す。折り返し方式のマラソンのようなコース設定だ。折り返しポイントの通過などは、人間なら難なくクリアできるが、ロボットには「くるりと反転」がむずかしい。

失敗を重ねながら精度を高めていく

[写真]いすに座る時間を惜しみ、立ったままパソコンを操作

 プログラミングを終えた子どもたちが、ロボットを抱えて次々とコートへ。ロボットを壁に向けて試走させ、動きを見守る。壁にぶつかったまま動かない。反転したものの、いつまでもくるくる回転を繰り返す。反転後にコースから外れてあらぬ方向へ暴走……。状況は異なるが、思うようには動いてくれない。

 それでも子どもたちはへこたれない。ロボットをさっと取り上げて机に戻り、再びパソコンとにらめっこ。反転させるための時間を1秒から0・8秒へわずかに短縮させることで、回転角度がちょうど180度におさまるなど、微調整が必要になるからだ。

 子どもたちが書き込むプログラムはシンプルだ。ただし、ロボットの直流モーターには個体差があり、同じ条件でも同じ回転数にはならない。子どもたちがマイロボットを動かして性能を確かめながら、プログラムの精度を高めて仕上げていくことになる。

 試行錯誤の連続。失敗が成功へ導く。子どもたちは何度も壁の前でロボットを動かし、誤差を小さくしながら最良のプログラムを探し出す。表情は真剣そのもの。いすに座る時間すら惜しむかのように、立ったままパソコンをのぞき込む大人顔負けの姿も。小さいながらも製造現場と直結した研究室の趣だ。日本のものづくり最前線を再現したような心地よい緊張感が漂う。

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