[写真]「千早赤阪村農の活性化プロジェクト」応援団発表会で盛り上がる関係者たち=大阪府千早赤阪村のくすのきホール

 千早赤阪村、知ってはりまっか? 大阪府で唯一の村。人口が減り続け、国の過疎地域に指定されている。住民や職場で働く人たちが少ないので、コンビニもない。ないないづくしの村で新しい動きがあると聞き、さっそく訪ねてみた。

イチゴと棚田で千早赤阪村を元気に 府と村が合同プロジェクト

人口が少ないのでコンビニが1軒もない

 千早赤阪村は大阪府の南東部に位置し、富田林市、河内長野市、河南町、奈良県五條市、御所市に囲まれた、のどかな山里が広がる。南北朝時代の武将楠木正成のふるさとだ。

 村内にはハイキングに便利な金剛山ロープウェイがあるものの鉄道は走っていない。大阪都市部からは、最寄りの富田林駅や河内長野駅からバスで向かう。

 人口減少や高齢化が進行。人口は1985年の7697人をピークに減少が続き、2015年には5378人に。府内で唯一、国の過疎地域に指定されている。

 主な産業は農林業で、自給的農家が半数を越え、販売農家では稲作やミカン作りが盛ん。住民や工場で働く人たちが少ないため、コンビニが1軒もない。村がコンビニ誘致に動いたものの、人口の少なさがネックとなり、誘致には至っていない。

いろんなジャンルから応援団が結集

 棚田の稲刈りを終えた晩秋の村にスーツ姿のビジネスパーソンたちが集まってきた。「千早赤阪村農の活性化プロジェクト」をサポートする応援団の発表会に駆け付けた企業関係者だ。

 村が府と合同で取り組むプロジェクトに民間の知恵やパワーを投入するため、応援団を募ったところ、13社が名乗り出た。これまで村とあまり接点のなかった企業も、メンバーに含まれているようだ。団員企業代表が次々と決意を表明していく。

 「プロサッカークラブのPR力を生かしてプロジェクトを内外に発信することで、農業活性化の先進事例となるよう取り組んでいきたい」(FC大阪)

 「2000年ごろから千早赤阪村の生産者から商品を仕入れており、当社にとって産地直送の先駆けとなった地域だ。テレビCMも村内の棚田の見えるところで撮影した。何かとゆかりのある千早赤阪村の一助になりたい」(食品スーパーのサンプラザ)

 「グループ会社が運営管理を担当している大阪城公園内で、千早赤阪村の農産物を、大阪産(もん)として展開できるのではないか」(大和リース)

 「全国で多くのアパートを運営管理している。棚田を守るクラウドファンディングに関する情報を、オーナーや入居者に告知して支援していく」(レオパレス21)

コンビニ出店も引き続き募集中

 応援団の業種、応援内容ともバラエティに富む。村の担当者は「結果が早く出やすい都市部の創業支援とは異なり、就農支援は一朝一夕にはいかない。生産者と農産物の両方を育成する時間が必要。しっかり種をまいて育てれば、2~3年後からが楽しみ」と話す。

 コンビニ出店も引き続き募集中だ。少し視点を変えると、知らない町や村で新たな出会いがあるかもしれない。詳しくは千早赤阪村の公式サイトで。
(文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)