[写真]「コーヒーチョコ付きコーヒーカレー」(右)と、「ミルクチョコ付きミルクカレー」。粒状のチョコをトッピングしてみた

 社会現象やヒット商品に見立てた手軽な値段のお菓子で、つかの間の大人の気分を味わうパロディ駄菓子。小さな駄菓子を囲んで、子どもにも大人にも笑顔が生まれ、会話が弾む。お笑い芸能の本場大阪は、パロディ駄菓子が盛んに販売されている地でもある。そんなパロディ駄菓子を作る大阪のメーカーが、大阪の業務用カレー専門メーカーと「パロディチョコカレー」を共同開発した。なぜチョコとカレーを組み合わせたのか?

【拡大写真と動画付き】パロディ菓子の発想は大阪の立ち飲み店で? オリオン「駄菓子」への思い

企画会社の思いつきがきっかけ

[写真]写真手前が新商品「コーヒーチョコ付きコーヒーカレー」(右)と「ミルクチョコ付きミルクカレー」。奥が元ネタであるオリオンの駄菓子「お菓子屋さんの牛乳パック」シリーズ

 新商品は「コーヒーチョコ付きコーヒーカレー」と「ミルクチョコ付きミルクカレー」の2種類のレトルトカレーだ。駄菓子ファンならこのパッケージに見おぼえがあるのではないか。

 これは、パロディ駄菓子の専門メーカー・オリオン(大阪市淀川区)のロングセラー「お菓子屋さんの牛乳パック」シリーズのデザインを受け継いだものなのだ。

 子どもたちが学校給食に出てくるテトラパック入り牛乳を飲む感覚で、コーヒー味のチョコや白いミルクチョコの粒々をしみじみと味わう。しばし宿題も忘れ、心は自由なる世界へ。「見立て」という日本古来の表現手法に基づくパロディ駄菓子のひとつだ。オリオンには「ココアシガレット」という見立ての歴史的傑作もある。

 牛乳パックチョコに熱い視線を送る人物がいた。企画販売会社ミッション(大阪府吹田市)の春日英樹社長だ。大阪市営地下鉄梅田駅構内に設置されているオリオンのPRコーナー。春日さんは昨秋、このコーナーで同シリーズのディスプレーを見て、突然ひらめく。

 「パロディチョコとカレーを組み合わせたら、面白いのではないか。大阪らしいユーモアあふれる商品企画で大阪を元気にしたい。幼いころからオリオンの駄菓子のファンでしたので、思い切ってオリオンへ連絡を入れました」(春日さん)

 オリオンの窓口は、常務取締役企画本部長の高岡五郎さん。多くのパロディ駄菓子を世に送り出してきたヒットメーカーだ。

 「私たちはご提案を受けると、一度はお会いするシステムを採用しています。春日さんのご提案に共感し、一緒に進めましょうとお返事しました」(高岡さん)

 ヒットメーカーは決断もすばやい。ミッションを通じて、業務用カレーの専門メーカー、ベル食品工業(大阪市鶴見区)へカレーの製造を依頼。ベル食品工業は国内で初めて固形ルウを商品化し、現在も有力ホテルやカレー専門店の多様なリクエストに応じたカレー作りに定評がある。

 オリオンが監修のうえ、チョコを提供。ベル食品工業がカレーの製造を手掛け、企画したミッションが販売を担当。異分野の大阪勢3社による共同開発で、チョコ付きパロディカレーが誕生した。