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 1976年の高倉健さん主演映画「君よ憤怒の河を渉れ」を福山雅治とチャン・ハンユーのW主演でリメークした映画「マンハント」が現在上映中だ。これはオール日本ロケで、その大半は大阪を中心に関西で撮影された。しかし、なぜ関西での撮影に至り、どのようにロケ地を決めていったのだろうか。この誘致に尽力し、撮影もサポートし続けたという近鉄のベテラン名物広報マンに聞く撮影秘話を数回にわたり綴る。

「マンハント」大阪ロケ撮影秘話<中> 上本町駅で電車逆走・ハルカス空撮

知り合いのプロデューサーからの依頼

[写真]マンハント大阪ロケ誘致や撮影サポートに尽力した近鉄グループホールディングス広報部の福原稔浩さん(福原稔浩さん提供)

 「もう『マンハント』をやったら、なんでもできますね」と笑顔で語るのは、近鉄グループホールディングス広報部の福原稔浩(としひろ)さん(61)。

 1975年の入社以来、駅員、車掌、運転士、駅助役を歴任し、1994年からは広報を担当。7年前には「近鉄グループロケーションサービス」という部門を立ち上げ、プロデューサーとして数々の映画やテレビ番組のロケ誘致をこなし、自らもテレビ番組に登場する名物広報マンとして活躍している。

 そんな福原さんのもとに、2015年秋、知り合いのドラマプロデューサーから「ジョン・ウー監督が日本を舞台にした映画の製作を計画している。関西のロケ地を案内してくれないか」と連絡が入った。

 ウー監督といえば「ミッション・インポッシブル2」「レッドクリフ」「男たちの挽歌」で知られる世界的な映画監督だ。様々な映画やテレビ番組のロケ誘致で実績を積み上げてきた福原さんにとっても、今回はかなり規模の大きな話だった。

ウー監督を離すまいとばかりにロケ候補地を案内

[写真]「あべのハルカス」でのロケの様子(福原稔浩さん提供)

 ロケーション・ハンティング(ロケハン)に来たウー監督を離すまいとばかりに、近鉄が誇る日本一の超高層ビル「あべのハルカス」はもちろんのこと、奈良県生駒市の宝山寺や1914年に開通した近鉄奈良線のトンネル「旧生駒トンネル」など様々なロケ候補地を約1週間かけて案内した。

 そして、関西のロケハンを終了し、ウー監督が次のロケハンの地、福岡へ行く前には、日本語ではあるが、心を込めて「ぜひ関西で撮影してほしい」旨の手紙を書き、ウー監督が「辛口の日本酒が好き」という情報も得ていたため、近鉄百貨店で購入した日本酒と一緒に通訳に託した。

 その思いが伝わったのか、ロケ地は関西に決まった。「この手紙が通じたかはわかりませんが、ウー監督は読んでくださったそうです。本当にうれしかった」と福原さんはその時のことを振り返る。

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