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 映画「マンハント」は2016年6月に大阪でクランクインした。ジョン・ウー監督にロケ地候補の数々を案内した近鉄グループホールディングス広報部の福原稔浩(としひろ)さん(61)は、ほぼすべての撮影に立ち会い、ウー監督やスタッフらの撮影サポートに尽力した。

【拡大写真と動画】映画「マンハント」大阪ロケ誘致のキーマンが語る撮影秘話<上>

ハルカスの撮影5日間、営業終了から生駒山に太陽が昇るまで

[写真]あべのハルカスでの「マンハント」撮影風景(福原稔浩さん提供)

 映画の冒頭にも出てくる、近鉄が誇る高さ300メートル、日本一の超高層ビル「あべのハルカス」での撮影には、100人のエキストラが参加。58階の展望台で通常営業終了後の夜に5日間かけて撮影が行われた。

 「展望台の夜の営業が終わって、朝、東の方にある生駒山に太陽が昇るまで、エキストラの方はずっと踊っておられました」と福原さん。撮影時に踊っていたエキストラの人たちは「カット」の声とともに倒れこむくらい一生懸命だったという。

敏腕パイロットのヘリによる「あべのハルカス」空撮

[写真]「マンハント」撮影時の様子を語る近鉄グループホールディングス広報部の福原稔浩さん(撮影:柳曽文隆)

 そして、あべのハルカスの展望台で踊っている人たちを上空のヘリコプターから撮るシーンもあった。福原さんによると、このヘリコプターは敏腕のパイロットが東京から飛ばしてきたもの。大阪で給油し、映画にも出てくる様々な場所を空撮した後に、あべのハルカスの展望台で踊る人たちの様子を撮影した。

 福原さんは「あの空撮の時は私も展望台にいて、空を見ると見事にピタッとヘリコプターが止まっているように見えたんです」と語る。あべのハルカスでの撮影5日目の時は、どしゃぶりの雨。展望台は吹き抜けのため撮影中止かと思ったが、ウー監督はじっとその場であきらめずに待っていた。

 そんな時、福原さんは「ミスター・フクハラ」とウー監督に声をかけられ、通訳に言われるがままに、ウー監督の目の前に用意されたモニターを見た。それは、先にあべのハルカス上空から撮った映像だった。

 「その映像がめちゃくちゃきれいに撮れていて驚きました。そして、ウー監督はニコニコしながら通訳を介して『日本のみんなががんばってくれているから、こういう映像が撮れたよ』と言ってくれて、すごくうれしかったですね」と福原さん。この粋な計らいに、福原さんは「この人のためだったら、できる限りのことをしなければ」と心に誓った。

 ちなみにこのシーンは、あべのハルカスのほかに梅田スカイビルもロケ地候補に挙がっていたそうだが、撮影のイメージとしてはあべのハルカスに軍配があがったそうだ。