[写真]行列のできるチェーン店づくりに懸ける大西良典社長

 個人とチェーン店では、同じ店舗でも当然、店づくりは異なるだろう。「いかに行列のできる店作りをするか」をテーマに、国内の有名チェーン店舗の設計を手がけ、海外にも進出している総合デザイン事務所が兵庫県芦屋市にあると聞き同市内のオフィスを訪ね、社長に話を聞いてみた。

小学2年生から「設計士になる」と決めていた

 総合デザイン事務所「OLL DESIGN(オルデザイン)」は、国内では「吉野家」「京都勝牛」「千房」「焼肉でん」、海外でも中国上海、北京の「味千ラーメン」、大連・重慶の「LAWSON」といった、チェーン店の店舗設計やデザインを手掛けてきた。「オープンとともに行列ができるようにするには、それなりのしかけがあります」と語るのは、大西良典社長(39)。
 
 事務所を訪ねると、3階建ての建物の1階はカフェのような造りに。「ここで打ち合わせをしながら、お酒を飲むこともあります。世界中に『カッコイイ』を広げていく、をテーマに日本国内だけでなく、海外でも設計というお仕事をさせていただいているデザイン事務所です」と大西社長は話す。

 そんな大西さんは、小学2年生から「設計士になる」と決めていた。「父の仕事の関係で社宅に引っ越し、家が小さくなって自分の部屋がなくなりました。母に聞いて、設計士になれば自分の部屋ができると知ったんです」と、当時を振り返る。

リサーチし、デザインに根拠を付けて考える

[写真]「黒い吉野家」はネットでも話題になった(写真は恵比寿駅前店=事務所提供、参考資料)

 工業高校を卒業後、ゼネコンを経て希望通り神戸の設計事務所に就職し、飲食店や商業施設の建築設計、設計監理を担当した。

 「なか卯」の店舗建設を担当し、その後は「ゼンショー」の親会社化により、ゼンショーグループの西日本店舗を総合プロデュースすることに。同グループでプロデュースした店舗は、ココス、ビッグボーイ、ウェンディ―ズなど数百店舗に及ぶという。

 2010年にオルデザインを設立、「僕は脱・設計事務所という形で新しく変えていきたい。ITの力であったり、いろんな情報源をもとに、従来の設計事務所から新しい設計企業を生み出せないか、ということでスタートしました」と話す。

 「例えば、数年前に吉野家さんがオレンジ色ではない黒い吉野家をつくられたとき話題になりましたよね。その後弊社ではこれをきっかけに、店舗デザインを再構築し、様々な吉野家をつくらせて頂きました」と振り返る。

 「自分たちはクリエーター。しかし、店舗設計にあたってすべてデータを取る」と大西さん。お客さんはカップルなのか、友達同士なのか、女性同士なのか、サラリーマン層なのか。そして年齢的にも10代なのか、20代なのか。それらをリサーチし、デザインに根拠を付けて考えるようにしているという。

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