[写真]御堂筋のイチョウ並木=2017年11月27日撮影

 大阪の御堂筋のイチョウ並木から、銀杏(ぎんなん)が減っているのをご存知だろうか。イチョウ並木は大阪のシンボルでもあり、秋になれば、多くの銀杏の実がなる。銀杏を拾う人の姿も多く見られたものだが、銀杏の放つ悪臭などが敬遠され、このイチョウが今、実のならない雄木(実がなるのは雌木のみ)に植え替えられているという。かつて400本ほどあったとされる雌木だが、大阪市の「御堂筋イチョウデータ」によると2013年9月の時点では256本となっている。葉がすっかり落ちたこの時期、また何本か植え替えられるようで、関係者は「御堂筋のイチョウは、今年もこれから5本の植え替えが決まっています」と話す。将来的には御堂筋から銀杏が消えてしまわないのだろうか。

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御堂筋のイチョウはウエスト30センチくらい

[写真]関係者によると御堂筋のイチョウは通常道路に植えられているものより一回り大きいそうだ

 大阪市中心部を南北に縦断する御堂筋のイチョウは「扇町公園事務所」(所轄行政区:大阪市北区・同福島区・同此花区)と「大阪城公園事務所」(所轄行政区:大阪城公園を除く同中央区・同西区・同浪速区)とが維持管理をしているという。

 そこで、扇町公園事務所に問い合わせると「基本的に腐朽したものや倒木の危険のあるものを撤去し、植え替えをしています。その際には実のできない雄木を植えています。当事務所で管理している御堂筋のイチョウは現在161本、雌の木は50本です。先月も1本、植え替えました。作業は夜間にやっていますので。昼間は交通量が多いですからね。だから知らない人が多いと思います」(街路樹担当職員)と、教えてくれた。

 さらに、御堂筋のイチョウは他の道路のイチョウに比べ、一回り大きいものが植えられており、「一般的な街路樹のイチョウはウエスト20センチのものが大半ですが、御堂筋のイチョウはウエスト30センチくらいのものを植えています」とのこと。

植え替えは1年に数本から数十本単位

 一方、「大阪城公園事務所」でも、植え替えは進んでいるそうだ。事務所職員は「こちらで担当しているエリアで、今年はこれから5本を植え替えることが決まっています。すべて雄の木を植えます」と話す。

 御堂筋は1937年に完成し、イチョウの植栽は1933年から始まった。イチョウ並木は「近代大阪を象徴する歴史的景観」として大阪市指定文化財にも指定されている。ところが、銀杏の実は地面に落ちると、強烈な臭いを放ち、通行人や周辺の店舗から苦情が絶えず、また車がスリップする危険性も指摘されていた。

 そのため、大阪市では昭和50年代から、倒木の恐れなどを理由にイチョウを植え替える際には、雄木を植えているという。植え替えは1年に数本から数十本単位。ただ、イチョウの雌雄は外観からは区別がつきにくいため、変化に気づく市民はほとんどいないという。