[写真]桜の時期に“幻の高級魚”のサクラマスが味わえる。写真はカルパッチョ=大阪市内で

 北日本などに生息する魚「サクラマス」を関西で味わえると聞いた。これはJR西日本が手がける陸上養殖事業の一環で「ルクア大阪」、「ホテルグランヴィア京都」などで味わえるのだという。同社は西日本の新たな地域産品の開発による地域活性化への貢献を目指し、2017年4月から富山県射水市と連携してサクラマスの陸上養殖の推進に取り組んでおり、昨年の試験販売をへて、今春、出荷尾数と取り扱い店舗を拡大して販売を開始した。

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JR西日本は地下海水を使った新たな陸上養殖を実現

[写真]サクラマスのにぎり寿司=大阪市内で

 サクラマスは、川で生まれた稚魚が海に下り、成長して大型化し、産卵時に川を遡上する魚だ。釣り人には憧れの魚でもある。

 JR西日本は、地下海水を使った新たな陸上養殖を実現し、産業の振興、雇用の創出をして地域活性化に貢献する事業を展開しており、2015年に寄生虫が付きにくく生食できるマサバ「お嬢サバ」を手がけたのを皮切りに、2016年にはノロウィルスの影響を受けにくく生でも食べられるカキ「オイスターぼんぼん」を販売。そして川の伏流水、水深100メートルからくみ上げた海水を使って養殖、寄生虫が付きにくく生食できるサクラマス「べっ嬪(ぴん)さくらます うらら」が加わった。

桜の開花時期に遡上 最近では数が激減

[写真]2017年4月、JR西日本と富山県射水市はサクラマスの陸上養殖の推進を通じた産業振興による地域活性化をめざし、サクラマスの陸上養殖における連携に関する協定を締結した(写真:JR西日本提供)

 JR西日本の創造本部・ビジネスプロデュースグループの吉岡清治氏はこう話す。「この事業は2015年に鳥取県とサバの養殖を始めたのがスタートです。陸上養殖ですが、陸上では寄生虫のアニサキスが付きにくいんです。鳥取県との共同研究から始まり、2017年6月から自社で施設を造り、独自展開をしています。そんな中、射水市から声をかけていただき、連携して新たにサクラマスの陸上養殖も始めました。サクラマスは一般的にあまり知られていませんが、希少な魚です」

 サクラマスは太平洋北西部やオホーツク海沿岸、北日本などに生息しているものの、漁獲量は極めて少なく、3月~5月に集中的に出荷されている。桜の開花時期に遡上することに、サクラマスの名前の由来があり、最近では数が激減、“幻の高級魚”と言われている。

 養殖はほとんどされていないという。また、琵琶湖のビワマス、南日本・西日本のサツキマス(河川残留型:アマゴ)など、いくつかの亜種も知られている。

「味が濃く、臭みがない。脂がちょうどよくのっています」

 大阪市北区の「さかなやのmaru寿司 ルクアイーレ店」では、このサクラマスのお造りや塩焼き、カルパッチョ、握り寿司などを提供している(4月末まで)。同店の有村善幸店長は「サクラマスは味が濃く、臭みがない。脂がちょうどよくのっています。塩焼きにしても、鮮度がいいので、味もよく、ふっくらしていますよ」と話している。
(文責/フリーライター・北代靖典)