[写真]女優のまつむら眞弓さん。京言葉で語る「怪談朗読劇」、時代劇の所作を取り入れた怖いお噺が印象的だ

 京言葉で語る「怪談朗読劇」をご存じだろうか。京都の左京区にある「法然院」で8月の終わりに毎年行われているもので、演者は女優、まつむら眞弓さん。今回は創作「怪談 たたり三味線『不忠の義士』」という演目で、特別ゲストの川合絃生氏による三味線の生伴奏とともに繰り広げる、妖しく切なく怖ろしいお噺だった。

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[写真]「法然院」の会場は満席、三味線の音色が妖しげに響きわたる

 法然院の趣のある会場を訪ねると、満席状態。1時間の朗読劇は“たたり三味線”のお噺で、京言葉を駆使しながら、独自の視点で語り、迫力ある内容となっていた。

 「法然院では6回目になります。素晴らしいお部屋でお庭を見ていただきながら、虫の音に耳を傾けながら、やらしていただいてます。京言葉でやるというのが根本にあり、その中で毎回オリジナルの作品を作家さんに書いていただいて、それを私が演じています。京言葉でやっているのは珍しいのかもしれません」とまつむらさん。

 元々は2010年、京福電鉄の「嵐電妖怪電車」というイベントで怪談噺を語ったことがきっかけだった。「すごく楽しくて、それからは時代劇の形にして新しくやり始めました」と当時を振り返る。怪談は創作が多いが、古典も時々演じている。

 「今回は赤穂浪士四十七士の内容で、メンバーに入るはずだったけど、遊女と心中してしまった人がいて、その方にスポットをあてました。生の三味線を取り入れたのは今回が初めてです」とか。心中したのは橋本平左衛門(赤穂藩浅野氏の家臣)と大坂の遊女お初。その蜆川心中の謎を巡って、たたりの三味線を絡ませたものだ。

 「プロの演出の方に入っていただいて、殺陣の動きとか所作とか三味線とかを入れて、今回とくに三味線のお噺なので、三味線の指導も含めて、朗読だけでなく、舞台を動いて演じています」

[写真]女優のまつむら眞弓さん

 まつむらさんは神戸出身。現在は京都を拠点に活動しており、『利休にたずねよ』『花戦さ』『北の桜守』といった映画や『科捜研の女』『水戸黄門』などのテレビドラマにも出演した。時代劇の動きを取り入れた怪談朗読劇は、全国を回り、今後も12月末まで各所で行う予定だ。
(文責/フリーライター・北代靖典)