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 今月4日、近畿地方に接近した台風21号の影響で冠水や関空連絡橋にタンカーが衝突するなど大きな被害を受けたある関西国際空港。復旧工事を進め一部を再開させているものの、通常時の離着陸数にはほど遠く、訪日外国人観光客の数も減っている。近年、外国人観光客でにぎわいをみせる大阪のスポットも、売上減少の影響を受けており、頭を悩ませている。

いつもは観光客でにぎわう場所にも影響が

[写真]大阪・道頓堀川の観光船も、いつもより外国人観光客の姿が少ないようだ=12日午後5時ごろ、大阪市中央区で(撮影:柳曽文隆)

 多くの鮮魚点など約180の店舗からなる「黒門市場」でも、外国人観光客の「激減」により、各店舗とも台風の接近後に売上が少なく、頭を悩ませている。

 元々「大阪の台所」として知られ、近年では訪日外国人観光客を受け入れ、連日にぎわいをみせていた黒門市場だが、4日の台風の接近以来、客足がかなり減ったという。

 ほぼ毎日買い物に来るという中央区在住の女性(71)は「いつも午後にはたくさんいる(外国人)観光客の間を縫うように歩いてます。けど、ここ何日かはスースーと楽に歩ける感じがするので、影響があるんだなと感じで、店のみなさんが気の毒」と話していた。

「関空がいかに貴重な存在か改めて知らされた」

[写真]いつも多くの外国人観光客の姿でにぎわう黒門市場も、買い物客が少なく感じる=12日午後5時ごろ、大阪市中央区で(撮影:柳曽文隆)

 「今回の台風で、関空がいかに貴重な存在か改めて知らされました」と語るのは、同市場内の鮮魚店従業員の男性。ここ数年は、外国人観光客の売上が大きいため、今回のようなケースは大きな痛手だ。

 「けっこう、店の中で魚を食べたりするお客さんも多いから(売上が)大きいんですよね。台風以来、かなり暇になりました」と、不安な表情を浮かべながら話す別の店の関係者もいた。
 
 また、別の鮮魚店関係者の男性は「1日100人以上来てたお客さんが、10人~20人になるのはキツイですよ。空港の復旧を本当に願っています」と話していた。

道頓堀の観光船も外国人観光客の姿少なく

[写真]道頓堀を歩いていても、いつものように多くの外国語を耳にすることが少なく感じた=12日午後5時ごろ、大阪市中央区で(撮影:柳曽文隆)

 大阪市中央区の道頓堀周辺も、外国人観光客の数は少なかった。土産店の女性従業員は「きょうは午後からの勤務ですけど、出勤する時は、いつも周りで外国人観光客の声を聞きますからね。あと、道頓堀川で運行してる観光船も、ほとんど外国の人が乗ってないから、いつもと違うのは明らかです」と話していた。観光船の関係者も「(悪天候の)天気のせいだけじゃないでしょうね。やはり関空の影響も大きいかも」と話していた。

 昨年、大阪府を訪れた訪日外国人客数は約1111万人。今年1月の発表時に、大阪府の松井一郎知事は「5年前に比べても5倍以上と非常に高い伸びを示しています。2020年の目標1300万人に向け取り組んでいきます」と話すなど、訪れる外国人観光客数が好調だっただけに、今回の被害は大きな影を落とした。

 道頓堀の飲食店に勤める30代の男性は「ここのところ店もその影響で売上があった。6月の(大阪北部)地震もあったり、影響がなければいいのですが」と心配そうに話していた。