[写真]センター試験を受ける受験生。「子供の貧困」による学力格差を指摘する声もある(Natsuki Sakai/アフロ)

 センター試験が終わり、受験シーズンは佳境に入っています。少子化や多数の大学が開校したことにより、昨今は「大学全入時代」といわれます。そのため、就職時にも大卒の肩書が当たり前のように求められる傾向にあります。一方、格差の拡大で貧困家庭も増加し、経済的な事情から大学を中退したり、大学に合格しても進学をあきらめたりする子供たちも少なくないとの指摘もあります。大学を卒業しても正規雇用で就職できないといわれる昨今、大学を出ていなければ、もっと厳しい環境に追い込まれます。それ以前に大学の受験料を用立てることもままならないので、そのスタートラインに立つことができない子供もいます。東京都をはじめとする自治体が、その対策に乗り出しています。

学習塾費用や受験料を無利子で貸し付け

 昨今、「子供の貧困」は深刻な社会問題として議論されるようになっています。しかし、政府の動きはにぶく、抜本的な解決策は打ち出されていません。しかし、子供の貧困は待ったなしで進行しています。そのため、腰の重い政府にしびれを切らした自治体が率先的に対策に乗り出しています。

 東京都の足立区もその一つです。足立区は、一人親世帯に対して資格取得を奨励し、その際に国からの補助金にプラスした給付金を支給しています。

 子供の貧困対策には、東京都も早い段階から着手しています。都は2008(平成20)年から低所得者対策を始めているのです。

「都の低所得者対策は、当時の石原慎太郎都知事が3選出馬にあたり公約として住民税減税として掲げたものが始まりです。しかし、住民税減税は低所得者のみならず富裕層にもメリットがあります。そのため、もっと低所得者のためになるような政策が考えられました。その中で出てきたのが生活総合支援事業です。生活総合支援事業には、いくつか種類がありますが、子供の貧困を解消しようと創設されたのが『受験生チャレンジ支援貸付事業』でした」(東京都福祉保健局生活福祉部生活得支援課)

 この事業は、中学3年と高校3年生を対象に学習塾の費用や受験料を無利子で貸し付けするものです。学習塾費用は一人20万円、受験料は高校受験が2万7400円、大学受験が10万5000円を上限としています。