無業や非正規雇用の若者の自立を支援する認定NPO法人・育て上げネットが、「自己負担ゼロ」で就労訓練を受けられる若年無業者向けの施策「若者就労・応援パッケージ 西友パック」を展開している。西友の助成を受けて実施するもので、プログラムの受講料に加えて施設に通うための交通費も補助する。この取り組みを通じて、本当に支援が必要な人に十分な支援が届いていない実情が見えてきたという。

受講料と交通費無料の就労基礎訓練プログラムを提供

育て上げネットの工藤理事長

 ニートやひきこもりという言葉が定着して久しい。2015年11月の総務省・労働力調査によると、15〜24歳、25〜34歳の完全失業率が全年齢の平均を上回るなど、若者の自立が依然として社会の課題となっている。

 2001年の設立以降、育て上げネットは、行政や企業と連携しながら無業や非正規雇用の若者の就労支援に注力するほか、昨年12月には、若年無業者の実態の把握や分析を試みた「若年無業者白書」の改訂版を発刊するなど、情報発信にも取り組んでいる。

 就労支援のうち、就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」は、職業研修などを通じて若者が長く働き続けるための力を養うもの。これまで約300人弱の無業の若者を受け入れており、プログラム修了者のうち80%に当たる約240人が就職し、さらにそのうちの85%に当たる約200人は3年以上継続して仕事に就いているという。

 そのジョブトレに通いたいが受講料が払えない人がいる、という声が現場から上がってくるようになったのは数年前のこと。ジョブトレの入会費は税込5万1500円、月額負担金が同4万1200円(週何回の利用でも一律)。仮に1年間通うと、入会費と負担金を合わせて約55万円が必要になる。しかし、必要なコストを考えるとこれ以上下げられないという。

 そこで、育て上げネットは、低所得世帯(世帯年収350万円未満)の無業の若者にもジョブトレの受講機会を無償で提供する「若者就労・応援パッケージ」を企画した。無償受講に必要な費用は寄付でまかなうため、育て上げネット理事長の工藤啓氏が旧知の西友の社会貢献担当者に協力を呼びかけたところ、同社は趣旨に賛同し、助成を決定。これを受けて、2013年11月に「若者就労・応援パッケージ 西友パック」プログラムが開始された。

 西友パックは、1年間で最大15人の低所得世帯の若者がジョブトレを無料で受講できるもので、西友が全額負担するほか、西友店舗での職場体験も実施している。

 現在までの同パック利用者は28人、うち21人が就労を果たした。こうした成果を踏まえて、西友側は2014年11月に続き、2015年12月にも向こう1年間助成を継続すると発表した。なお、就労者のうち4人は西友に就職しているという。