今年2月、東京・銀座に鉄道をテーマにしたエンターテインメントバー「バー銀座ChouChouPOPON(シュッシュポポン)」がオープンした。運営するのは、フランチャイズを含め、全国に41の鉄道模型店を展開するポポンデッタ(太田和伸社長)。一体、鉄道模型を販売する会社がなぜバーを、しかも銀座に出店したのだろうか。

バー内を8種類の鉄道模型が常時走行

店内を走る鉄道模型

 JR新橋駅の銀座口改札を抜けて徒歩4分。銀座の街なかにあるビルの8階に、バー銀座ChouChouPOPONはある。店内の照明は抑えめで、落ち着いた雰囲気だ。レジ付近およびL字型のカウンターテーブルの奥には、「昭和の銀座」や「地方都市」など4テーマのジオラマがあり、その中を北海道新幹線「はやぶさ」、寝台特急「北斗星」といった鉄道模型が行き交う。

 店の企画に関わった創造事業本部の長澤隆之本部長は、「カウンターのどこに座っても、違った眺めが楽しめる趣向になっています」と胸を張る。カウンター席の向こうにあるテーブル席の後方にも、壁に投影された夜空の星々の下を鉄道模型が走るジオラマを配置。レールの長さは合計で105m、鉄道模型は8種類を常時走行させ、種類は定期的に入れ替える予定という。

ポポンデッタの太田和伸社長

 鉄道エンターテインメントバーらしく、1日に2〜3回の割合で、スタッフが「トレインナビゲーター」として、走行している鉄道模型の紹介と鉄道にまつわる朗読劇も行う。トレインナビゲーターは、声優やナレーターといった声の仕事に携わる人材が担当。朗読劇のシナリオも放送作家に依頼している。

 メニューでは、各種カクテルやワインなどのドリンクや軽食に加え、辛口のジンにキュラソーを加えた「北斗星〜24系25型〜」など、オリジナルの鉄道カクテルも用意する。太田社長は「もっと上を目指したいので、店の現状に点数をつけるとしたら80点。ただし、出だしだけなら100点です」と笑顔を見せる。

 ポポンデッタが飲食店を経営する理由は、マニア向けと思われがちな鉄道模型を、もっと多くの人に楽しんでもらえるような場を提供するため。飲食店なら、通常の模型店よりも入店のハードルを下げられると考えた。すでに、鉄道ジオラマを見ながら食事ができる鉄道カフェを3店舗展開しており、ファミリー層を中心に人気を集めているという。

 「次は、大人向けにも鉄道模型を楽しんでもらえる場を」と構想を温めていた矢先、銀座で別の会社が経営していた鉄道バーが閉店するため、店を引き継がないかという話が舞い込んできた。「世界の一流ブランドの店が立ち並ぶ銀座という街自体には、情報発信力がある。この街に出店することで、大人の人々に鉄道模型の楽しさ、魅力を発信していけると考えました」

【360度動画】銀座の鉄道模型バー「ChouChouPOPON」(1)