9月1日に行われる関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典について、東京都の小池百合子知事は25日の定例会見で、追悼文送付を中止する方針を明らかにした。

【中継録画】東京都・小池百合子知事が定例会見(2017年8月25日)

[写真]会見する小池都知事

 追悼式典は市民団体の日朝協会などが主催。都によると、追悼文は例年、石原慎太郎元知事ら歴代知事の名前で送られており、小池知事も昨年9月の式典に追悼文を送っていた。

 方針を転換した理由について、小池知事は、3月に開かれた東京大空襲と関東大震災の慰霊大法要に出席し、「知事として、関東大震災で犠牲になったすべての方々への追悼の意を表した」と説明。9月にも同様の大法要があり、「今回はすべての方々への法要を行いたいという意味から、特別な形での追悼文提出を控えた」とした。

 小池知事は「こういう追悼文やさまざまなメッセージは、都知事自らが案文を考えるわけではなく、慣例的、事務的に繰り返して送られるケースもある。今回は私自身が判断した」と述べた。

 今年3月の都議会で、自民党の古賀俊昭都議が、追悼碑にある6000余人という虐殺の犠牲者数は根拠が希薄であるなどとして、追悼文送付の再考を主張。これに対し、小池知事は「今後は私自身がよく目を通した上で、適切に判断する」と答弁していた。

 追悼文送付の中止は、関東大震災での朝鮮人虐殺の事実を否定するものではないかとの懸念があることに対しては、「さまざまな歴史認識があろうかと思うが、関東大震災という大災害、それに続くさまざまな事情で亡くなった方々への慰霊の気持ちは変わらない」と明確な回答を避けた。

(取材・文:具志堅浩二)

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