多くの人でにぎわう池袋駅がある豊島区。しかし民間シンクタンクの日本創成会議に消滅可能性都市と指摘された(写真:ペイレスイメージズ/アフロ)

 22日衆院選の投開票日を迎えます。国の行方を決める大切な選挙で考えなければならない問題はたくさんありますが、静かに進行する大きな脅威が、少子高齢化によってもたらされた人口減少社会です。一極集中が進む東京の23特別区の中で、3年前に唯一「人口消滅可能性都市」と指摘された豊島区はいま、どのように課題に取り組んでいるのでしょう。


 東京都豊島区 ── その中心になっている池袋は、平日・休日問わず多くの人出でにぎわいます。

 ターミナルになっている池袋駅には、JR・西武・東武・東京メトロなど複数の鉄道路線が乗り入れています。池袋駅は乗り入れる路線数が多いだけではありません。JR池袋駅は一日の平均乗車人員が約56万(2016年度統計)にものぼり、これは世界の駅でも2番目に多い数字です。東京メトロ・西武・東武の利用者を含めれば数字はもっと大きくなります。

 池袋のような日本屈指の繁華街を抱える豊島区に大きな衝撃が走ったのは、2014(平成26)年のことでした。日本創成会議が消滅する可能性があると発表した896の自治体に豊島区が含まれていたからです。日本創成会議は民間のシンクタンクではありますが、増田寛也元総務大臣が座長を務めています。そのため、単なる一団体の発表で済ませられる話ではなかったのです。

「今も人口は増加傾向」それでも対策、住民満足度を上げるには……

 日本創成会議が発表した内容は、瞬く間にマスコミに取り上げられて騒然となりました。過疎化が深刻な地方都市ならいざ知らず、日本創成会議は東京23区の中でも多くの人でにぎわう豊島区でさえ消滅可能性があると断じているのです。

「現在、豊島区の人口は約28万4000人。実は消滅可能性都市と指摘された当時から現在に至る今でも、人口は増加傾向にあります。決して消滅の危機に直面しているわけではありません」と話すのは、豊島区女性にやさしいまちづくり課の担当者です。

 それでも豊島区は、人口減少社会からの転換を図ろうと対策に乗り出しました。その対策として、2016年4月に新設されたのが「女性にやさしいまちづくり課」でした。女性にやさしいまちづくり課は、女性のライフスタイルを支援することを目的にしていますが、“女性にやさしいまちづくり”というスローガンを聞いてもイメージこそ沸いても、具体的な政策は判然としません。一体、どんなことをしているのでしょうか?

「女性にやさしいまちづくり課と聞くと、どうしても待機児童問題や女性の社会進出といった女性を対象にした施策を担当する部署というイメージを抱いてしまいがちです。豊島区は待機児童問題や女性の社会進出にも力を入れていますが、それだけが女性にやさしいまちづくりだとは考えていません。女性にとってやさしいまちは、誰にも暮らしやすい・住みやすい街であるはずです。そのため、あくまでもターゲットを女性に限定せず、『豊島区って面白いじゃん!』『豊島区は住みやすそう』という目線でまちづくりに取り組み、また情報発信をしています」(同)

 女性にやさしいまちづくり課は、これまでの官では手が届きにくかった部分に手が届くような事業を担当しています。そのため、部署横断的な事業を手掛けることが多く、事業内容を「これ」と明確にできません。それでもあえて言うならば、“仕事と私生活が両立できるまち”“住民満足度を上げる”ことを目指している、と形容できそうです。