等々力渓谷のもみじ(撮影:志和浩司)

 渋谷から電車で約20分、東急大井町線・等々力駅から歩いて数分。等々力渓谷は23区内で唯一の自然渓谷、世田谷区にありながら緑豊かな自然に寄り添えるエリアとして親しまれている。武蔵野台地の南端、約1kmあり、多摩川支流の谷沢川沿いに散策路が伸びる。

 うっそうとした緑の中に小川のせせらぎ、野鳥の鳴き声、ささやくような木々の葉音。心身が癒やされる心地よさ。11月下旬~12月上旬にかけては紅葉、2月~3月は梅、4月には桜、5月になれば新緑と、四季折々の表情を楽しめる。

 取材に訪れたのは25日。まだ緑の葉が多く残る渓谷の紅葉のピークは、まさにこれから。12月上旬くらいまでが見ごろとなるだろう。

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都会の中にあって、その一角だけが取り残されたオアシス的な味わいの小さな渓谷

川面に映るゴルフ橋(撮影:志和浩司)

 等々力駅の改札口は一つ。出ると正面に券売機、左右に踏切がある。左手の踏切を渡り、案内にしたがって進んで行くと、商店街の通り沿いに渓谷入口を示す看板が目に入る。入口にある紅い橋は「ゴルフ橋」と呼ばれているが、昭和の初めに旧下野毛、等々力村に広大なゴルフ場があったことに由来するそうだ。

 たもとの階段を降りて行くと、すぐに谷沢川の流れが目に入る。そこはもはや都会の一角とは思えない、まるで別世界だ。急斜地のため宅地開発を免れ、豊かな生態系が残された。全域が鳥獣保護区に指定されている。

等々力渓谷(撮影:志和浩司)

 下流に向かって散策路が整備されているが、武蔵野の雑木林に囲まれ、やや暗めなことは覚悟しておいたほうがいい。行くなら日が傾き始める前、午前中など早めの時間帯がおすすめだ。足元は遊歩道が整備されているものの、石の階段などもあるため、歩きやすく汚れを気にしなくていいスニーカーなどがおすすめ。遊歩道には、柵がなく狭い場所もある。とくに週末は人出が多く、カメラを構えている人もあちこちにいるため、人とすれ違うときは、十分注意したい。

書院の灯り(撮影:志和浩司)

 谷沢川の下流部、等々力不動尊の対岸には、昭和36年に建築された書院建物と、それをとりまくように日本庭園がある。石畳の階段園路がめぐる庭を歩いて回るのは、ちょっとした運動になる。昭和48年に著名な造園家により作庭されたものだそうで、当時のままの姿で保存されているとのこと。

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