[写真][写真]着工が棚上げになったままの「千客万来」建設予定地(2018年4月24日撮影)

 東京都の小池百合子知事は1日の定例会見で、着工が棚上げになっていた豊洲市場(東京都江東区)の商業・観光施設「千客万来」について、運営会社からの回答を受けて「2020年東京五輪・パラリンピック終了後に本格着工することで、豊洲の一画を有効に生かしていくところに落ち着いた」と述べた。平行線をたどってきた協議が一転、動き出した。

【中継録画】東京都・小池百合子知事が定例会見(2018年6月1日)

着工までの「有効活用」は今後の議論

 千客万来をめぐっては、昨年6月に小池知事が「築地は守る、豊洲は生かす」と豊洲・築地両立案を軸とした市場移転方針を発表し、築地市場(東京都中央区)跡地については「食のテーマパーク」などの再開発構想を発表した。これに、千客万来の運営会社「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)が反発。近くに類似施設ができれば採算が取れなくなるとして、撤退も視野に入れて検討する方針を示し、施設の整備計画はストップした。

 都は5月21日、同社に対して28日までに千客万来の事業を継続するかどうか回答するよう文書で要請した。28日時点では「これまでの要望、質問に対して都が十分対応してない」と同社は判断を保留していたが、31日に一転して、(1)着工時期を変更し、東京五輪・パラリンピック終了後に着工すること、(2)それまでの間「豊洲ブランド」を訴求する場として予定地の有効活用を図ってもらう――ことなどを都側に提案し、事業を継続する意思を示した。

 都は同日、関係局長会議を開き、小池知事は「事業実施に向けて、前向きな回答が示された」と評価。都は同社の案をおおむね受け入れる方向で調整に入った。

[画像]6月1日の定例会見で「千客万来」施設の協議の経緯について説明する小池知事

 31日の運営会社からの回答に先立ち、小池知事は30日夜、同社の高橋弘会長と会談し、この席で謝罪したという。小池知事は5月にも同社を訪れ陳謝しているが、この夜は「これまで何かと豊洲市場のさまざまな対応に追われて、(万葉倶楽部側への)気配りなどが足りなかった」ことを謝罪したと説明。「それをしっかり、先方が受け止められたから大きく動いたということだと思う」との見方を示した。

 都は着工までの間、豊洲市場のにぎわい創出に貢献する施策を検討する。一方で、にぎわい施設は江東区が豊洲市場受け入れの条件としていた経緯ある。小池知事は「今、さまざまな考えを持ち寄って詰めている。江東区の理解も得られるようにしつつ、何がどう生かせるのか、コスト面にも気を配りつつ、一番良い方法を考えたい」と詳細は今後の議論になると述べた。