[写真]昨夏の「時差ビズ」キャンペーン(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 東京都が企業や鉄道会社と連携して通勤ラッシュ緩和を目指す「時差Biz(ビズ)」キャンペーンが9日、今年もスタートした。昨年に続き2回目の取り組みで、小池百合子知事は、一連のキャンペーンを「満員電車ゼロ」を実現するきっかけにしたい考えだ。今年はすでに昨年の倍の740超の企業が参加を表明しているが、都では1000社以上の参加を目指す。昨年の取り組みの効果を振り返りながら、今後の時差ビズの課題を探る。

【写真】さらば通勤ラッシュ?「時差Biz」キャンペーンの意味とは(2017年7月掲載)

通勤ラッシュ緩和に「一定の効果」

 時差ビズは、時差出勤やテレワーク制度の導入、利用促進によって、朝の出勤時間帯に集中する鉄道の利用客を分散・減少させ、通勤ラッシュ緩和を目指すキャンペーン。「満員電車ゼロ」を公約に掲げてきた小池知事肝いりの施策で、昨年は7月に約2週間実施し、約320の企業と鉄道会社が参加した。短いキャンペーン期間でもあり、都としては「あくまでも時差通勤をした人に快適通勤を体験してもらう」のが主な狙いだった。

 今年で2回目となる時差ビズだが、そもそも昨年の取り組みはどれくらいの効果があったのか。

 ソフトウェア開発などを手がけるアスネット(東京都新宿区)では、キャンペーンを機に、試験的に1か月間導入した「時差出勤」が好評だったため、正式に制度として導入した。従業員からは「通勤が楽になり、仕事に集中しやすかった」「気持ちに余裕ができた」などの声が寄せられたという。NTTデータ(同江東区)は、テレワーク制度の利用を従業員に促した結果、キャンペーン後、月あたりのテレワーク制度利用者は、キャンペーン前に比べて3倍弱増えた。

 都が昨年のキャンペーン終了後に行ったアンケートでは、回答した163社(複数回答可)のうち、利用した制度は時差出勤が最も多く66%、次いでテレワークで40%だった。個人へのアンケート(395人・複数回答可)では時差ビズ期間中、出勤時間の山が「午前8時半~9時半」から「午前7時~8時」と早い時間帯に移動していた。また半数以上が「通勤時の快適性」「仕事の効率性」「プライベートの充実度」が上がったと答えた。「来年も時差ビズに参加したいか」との問いには、合わせて8割が「参加したい」もしくは「参加しても良い」としており、従業員が時差ビズに対して一定の満足を感じていた様子がうかがえる。