東京都の小池百合子知事は10日午後の定例会見で、9月1日に予定されている関東大震災の朝鮮人犠牲者の追悼式典に対し、昨年に続いて今年も追悼文の送付を行わない考えを示した。

[写真]会見する小池都知事

 市民団体の日朝協会などが主催するこの追悼式典については、これまで石原慎太郎氏ら歴代知事の名前で追悼文が送られてきた。小池知事も就任直後の2016年には同様の対応を取ったが、2年目の昨年、「3月および9月に行なわれる関東大震災および戦災遭難者への慰霊大法要で、犠牲となったすべての方々への法要を行いたい」との考えを示し、追悼文の送付を中止する方針を表明。これに対し、主催団体などから「事実から目をそらすもの」など反発の声が上がっていた。

 今月8日、同式典の実行委員会が都庁を訪問。追悼文送付を求める署名を提出し、小池知事の追悼文送付の再開を求めた。小池知事はこの日の定例会見で「実行委員会の要請は承知している」と語ったが、「(今年も)昨年と同様とさせていただく」との意向を示し、今年も追悼文を送付しないとした。

 朝鮮人虐殺の歴史から目をそらすと見られかねないのでは、との指摘にも「さまざまな事情で犠牲になられた方々を、むしろ区別せずに慰霊するという気持ちをまとめて、9月と3月の大法要に臨んでいる」との重ねて述べた。

(取材・文:具志堅浩二)